米歌手ビヨンセ(40)が、先月末にリリースした新アルバム「ルネッサンス」に収録されている楽曲「Heated」の中で障がい者を差別する表現があると批判されたことを受け、歌詞の一部を変更したことが1日、明らかになった。問題となったのは、痙直型両まひを指す単語から発生した「Spaz(スパァズ)」という言葉で、障がい者に対する差別や侮辱語として使われることがある。ビヨンセの代理人は声明を出し、「誰かを傷つけるために意図的に使われたものではない」としつつも、問題の単語を差し替えることを発表した。

同じ障がいのある活動家でライターのハンナ・デヴィニーさんは、英ガーディアン紙に「健常者による障がい者差別」とこの問題に対して批判のコメントを出しているほか、支援団体もSNSで「残念」と述べてビヨンセがこの言葉を使用していることに抗議していた。この言葉を巡っては、「クレイジー」「コントロールが利かなくなる」という意味で使われることもあることから、歌手リゾも今年6月にリリースした新曲「Grrrls」で使用していたが、批判を受けて差し替えている。

「ルネッサンス」は、2016年に発売された「レモネード」以来6年ぶり7枚目のアルバムとなるが、収録されている楽曲「Energy」を巡っても歌手ケリスが自身の曲が許可なく使われていると主張し、「盗作」だとビヨンセを批判する騒動が起きている。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)