タレント小堺一機（66）が、24日に初日を迎える、俳優でお笑いコンビあさりどの川本成（48）が主宰する劇団「時速246億」の舞台「バック・トゥ・ザ・ホーム・ファイナル」（東京・新宿「シアターサンモール」）に出演する。2016年（平28）に初演で再演、続編、そして配信で上演された人気シリーズのファイナル。師匠・萩本欽一（81）の欽ちゃんファミリーの弟弟子の川本のラブコールに応えた。このほど、小堺と川本が日刊スポーツの取材に応じた。【小谷野俊哉】
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川本は1991年（平3）4月に、高校2年生になると同時に「欽ちゃん劇団」1期生になった。
川本「僕らが『欽ちゃん劇団』に入った時は、もう”孫世代”で、浅草の『ロックン・ロック』っていう劇場に出させてもらったりしていました。だけど、大将（萩本）から直接、稽古して教えてもらうみたいなことはあまりなかったですね。しかも僕は当時、高校生で、劇団は上の年齢の人が多かったんで。はしのえみちゃんが年は1歳上なんですけど同期っていう感じですね。あと上に『欽塾』っていうのがあって、Take2の東（貴博）さんも、当時は24歳ぐらいでしたね」。
それでも、時折、萩本にかけてもらった言葉が、後になって理解できることがある。
川本「当時、ステージにちょっと出てコントをやっていると『お前ね、近いよ』って言われたんです。そういうことじゃないよ、はい、OKって。分かんないわけですよ。単語で『近い』とか『早い』とかいうのが、全然意味が分かんないんです。それが、お芝居とかを、後にやるようになって、他人のやつを見てると『あの人なんか近いな』みたいな。10年ぐらいたって、やっと意味の分かる時が来た。距離の問題とかじゃなくて、なんか意味が分かる時が後に来たんです。あぁ、やっぱり教わってたんだなってことが、何十年かたって分かってきた感じはあります」
小堺「そばで見てたっていうのが、一番いいんじゃないかな。（萩本のマネジメントを担当する）佐藤企画（社長）の佐藤（宏榮）さんに『お前は今、帝王学を学んでるんだと思え』って言われましたね。当時、佐藤さんがゴルフに行くんで大将（萩本）を乗せて運転してたら、天気が良くなって『あ、帰るよ』って言われたと。『仕事順調で、天気いい時にゴルフしたら、仕事に運が来なくなるから』。うそでしょう、気持ちいいのにと。でも『どっちもいいことなんてない』と。『俺がダメになったら（所有する）馬が稼ぐ』とかね。揺るがない哲学がありますよね。大将じゃなきゃ維持できない哲学、素人が手を出すとけがをするやつ」
小堺と川本は“欽ちゃんファミリー”でも世代が違う。18歳の年の差がある。 川本「『小堺クンのおすましでSHOW』に出させていただいたりしました。小堺さんは、エンタメの上でもそうですけど、ちょっとおしゃれなことをいっぱい教えてもらいました。お笑い芸人といったら女遊びをして、なんかちょっとこう破綻してなくちゃみたいなこともあった。でも、小堺さんはボードビリアンっていうか、海外のコメディアンてスーツ着ておしゃれなんだよって。ダンスも踊れるし、歌も歌えるって。それは、すごい影響を受けたというか、感銘を受けたというか、そういうスマートでかっこいいコメディアン像みたいなものを教えていただいた。音楽とか、ファッションとか、またニューヨークにもいっぱい連れて行ってもらいましたし。それでミュージカルを見て、ものすごく変わりましたね、その影響。気がつけば、大将も、そうでした。大将はやっぱり、ウケればいいってもんじゃないんです。『笑いってのは、やっぱり質と品だから』って。それはやっぱり、すごく心にあります」（続く）
◆小堺一機（こさかい・かずき）1956年（昭31）1月3日、千葉県生まれ。77年、TBS系「ぎんざNOW！」の素人コメディアン道場で優勝。専大卒業後、勝アカデミーを経て、80年浅井企画。82年テレビ朝日系「欽ちゃんのどこまでやるの！」での関根勤とのコンビ「クロ子とグレ子」でブレーク。84年10月からフジテレビ系のトークバラエティー「ライオンのいただきます」の司会に抜てきされ、16年（平28）3月の「ライオンのごきげんよう」終了まで31年半務めた。現在、BSJapanext「アプリで生判定!地域創生プレゼンバトル」、J:COMチャンネル「ジモトに乾杯!居酒屋小堺クン」、JFN「おうちで～CINEMA～」など。バラエティー、ドラマ、舞台、ラジオなど幅広く活躍。165センチ。血液型A。
◆川本成（かわもと・なる）1974年（昭49）7月13日、鳥取県生まれ。91年（平3）4月、萩本欽一主宰「欽ちゃん劇団1期生」合格。94年に堀口文宏と「あさりど」結成。94年から3年間、9代目いいとも青年隊としてフジテレビ系「笑っていいとも」出演。07年から劇団「時速246」を主宰、10年に「時速246億」に改名。16年舞台「バック・トゥ・ザ・ホーム」主演。18年舞台「バック・トゥ・ザ・ホーム2018」「バック・トゥ・ザ・ホーム2」。20年配信で舞台「バック・トゥ・ザ・ホーム・ハーフ」。趣味は楽器いじり、古着収集、プロレス。168センチ、血液型O。
