英ロンドンのウェストミンスター寺院でエリザベス女王の国葬が行われた19日、英国のほとんどのテレビ局が葬儀の模様を生中継する中、チャンネル5という放送局が、主要地上波としては唯一、葬儀の代わりに絵文字が主人公の米アニメ映画「絵文字の国のジーン」(2017年)を放送して話題になっている。「絵文字の国ジーン」は、その年の最低映画や俳優を決めるラジー賞ことゴールデンラズベリー賞でアニメ作品として史上初めてワースト4冠に輝いたことで知られる。

1952年に即位してから70年に渡って在位した女王に敬意を表するため、この日は1922年に設立された英国の公共放送BBCを始め、スカイネットワークやITVネットワークは女王の国葬を中継し、チャンネル4は同時間帯に女王のドキュメンタリーを放送した。

そんな中、唯一アニメ映画を放送したチャンネル5に対し、ネットでは「チャンネル5はアメリカ資本の傘下だから」「(女王のひ孫)ルイ王子の姿はないから、たぶん「絵文字の国のジーン」を宮殿で観ているのだろう」などと皮肉るコメントもあり、国全体が女王の死を悼み、最後の別れを告げる中で同作が放送されたことに疑問を呈する声も上がっている。

米メディア・娯楽企業パラマウント・グローバル傘下のチャンネル5は、1997年に開局した英国における5番目の地上波放送局で、若者向けの番組に特化していることで知られる。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)