日活ロマンポルノ50周年記念プロジェクト「ROMAN PORNO NOW」第2弾「愛してる!」(白石晃士監督、公開中)で映画に初主演した川瀬知佐子(23)が、同作の企画、監修を務めた高嶋政宏(56)をうならせている。劇中で川瀬は、売れない地下アイドルからSMの才能を見初められラウンジにスカウトされ調教されていく中で、アイドルとSMの女王様の両方で頂点を目指すミサを熱演。ムチで縛られ快楽を味わう姿や、あえぎ声に、SM好きを公言する高嶋も太鼓判を押した。

SMラウンジの常連俳優という本人役で出演した高嶋の下腹部と股間を迷わず踏み付けた。ムチで縛られると、全身を震わせてあえいだ。高嶋の「あえぎ声のナチュラルさ…研究したんだな」との指摘に、川瀬は「(愛好者の)声を聞いたり動きを見て絶頂を迎えた時、どこの筋肉が使われるか観察、分析して身に着けました」と明かした。高嶋を足蹴(あしげ)にしたシーンも「大先輩だからこそ、ぶつかっていかないと失礼」と堂々と言った。

20歳で演技を始めて3年。オーディションを受け続けても結果が出ない自分とは対照的に、進学していく友人を見て「私だけ何やっているんだろう」と思っていた中「愛してる!」のオーディションに受かった。「受かっていなかったら(演技を)辞めていたかも知れない」状況だっただけに、脱ぐことへの抵抗も「なかった。監督の求めるお芝居が出来るかということへの不安は大きかったですが」という。高嶋も「ここで胸を出さないのは、おかしいだろうという作品ばかりだけれど、脱ぎのタイミングが自然。素晴らしい」と絶賛した。

川瀬は「こんなにお芝居に真摯(しんし)に向き合うチャンスがなかった。女優として生きていこう」と誓った。【村上幸将】

◆川瀬知佐子(かわせ・ちさこ)1999年(平11)9月10日、山形県生まれ。父の仕事の都合で幼少期に三重県に約3年、英ロンドンに1年半ほど在住。20歳で、奈良橋陽子氏主宰のアップスアカデミー本科で1年演技を学び、昨年に女優として活動を開始。並行して1年弱、地下アイドルのグループで活動。現在はボビー中西氏からリアリズム演技を学ぶ。152・5センチ。