アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督が28日、都内で、「東京国際映画祭 黒澤明賞授賞式」に登壇し、受賞の思いを語った。

イニャリトゥ監督はデビュー作「アモーレス・ペロス」(00年公開)で世界の視線をメキシコ映画に向けさせ、アカデミー賞を初めとする多くの賞を受賞しながら精力的に新たな試みに挑戦する姿勢が評価された。

授賞式では「初めて東京に来たデビュー作では、当時最優秀作品賞と最優秀監督賞をもらいました。その7年後にも撮影で来日し5カ月間日本に住み、短い間でも自分の家にすることが出来たことは人生の幸せの瞬間です」とあいさつ。

黒澤監督作品にも影響を受けていると話し「黒澤監督は映画の殿堂の中の神。作品は人間性、複雑さを映画で描かれていて、私個人としては『羅生門』など3つの作品に感銘を受けました」とコメントした。

同賞の受賞に「意義のある賞を深田監督とともに受けるのは大いなる感激です。東京に来る機会をもらえたことをうれしく思います」と笑顔で話した。

同賞は日本が世界に誇る、黒澤監督の業績を後世に伝え、新たな才能を世に送り出す願いから14年ぶりに復活。山田洋次監督や俳優の仲代達矢、原田美枝子らが選考委員を務めた。