日本テレビ系情報番組「スッキリ」（月～金曜午前8時）と「バゲット」（月～木曜午前10時25分）が23年3月末で終了することが10日、分かった。午前中に連なる帯番組2つを同時に変更する異例の試みで、平日朝のテコ入れを目指す。

「スッキリ」は06年4月から17年近く続いてきた看板番組。当初から極楽とんぼ加藤浩次（53）が総合司会を務め、サブMCを変更しつつニュースやエンタメ情報などを届けてきたが、昨今テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」など同時間帯の情報番組に視聴率で及ばない日もあった。

「スッキリ」では近年大きな出来事もいくつかあった。吉本興業の一部芸人の闇営業問題が明るみとなった際、加藤が番組内で同社の体制を批判し“加藤の乱”と呼ばれた。21年3月にはアイヌ民族を描いたドキュメンタリー映像を流した際のお笑い芸人の発言が放送倫理・番組向上機構（BPO）から放送倫理違反とみなされ、チェック態勢の甘さも問題になった。

放送関係者によると、長く番組を支えてきたスタッフらの入れ替わりなどで番組の質の維持が困難になり始めた側面もあるとの指摘があるほか、高額な加藤の出演料なども要因のひとつとなったという。

「バゲット」は18年10月に「PON！」に変わる昼前の情報番組として誕生したが、こちらも昨今は視聴率で苦戦。今年10月リニューアルしロゴやセット、MC陣も変更していたが、来春終了が決まった。

関係者によると、同局はテレビ離れが進む現状を鑑みた平日朝の改革に着手しているといい、帯の2番組同時変更という大ナタをふるい、新たな視聴者発掘を目指す。日刊スポーツの取材に対し、同局は2番組の終了を否定せず、新番組については「検討中」と回答。来春以降、午前帯のリニューアルが注目される。

◆スッキリ　日本テレビ系で06年4月から始まった朝の情報番組。現在は月～金曜午前8時から放送。加藤を総合司会に、日テレの森圭介アナと岩田絵里奈アナがサブMCを務める。サブMCは定期的に変更されており、これまでテリー伊藤、阿部あき子、近藤春菜、日テレの水卜麻美アナ、岩本乃蒼アナらが務めてきた。現在は曜日コメンテーターとして神田愛花やヒロミ、池田美優、高橋真麻、小澤征悦らも出演。

＜「スッキリ」アラカルト＞

◆人気アナ輩出　サブMCでは17年10月から約3年半担当した水卜麻美アナらが出演。21年春から岩田絵里奈アナが務めている。

◆加藤の乱　19年7月の生放送で「この体制が続くなら俺は辞める」などと発言。その後吉本とはエージェント契約となり、21年3月で契約終了となった。

◆BPO問題　21年3月のアイヌ民族を描くドキュメンタリーの件のほか、22年6月にはペットサロンで起きた犬の虐待致死疑惑を取り上げたが、経営者が反論。BPOの審理にかけられる事態に。

◆天の声　番組内コーナー「クイズッス」でエンタメ情報を紹介する生ナレーションを南海キャンディーズ山里亮太が「天の声」として担い人気に。19年には蒼井優との結婚も生報告。

 

○…昨年から個人事務所を設立して働く加藤にとっては収入面でも大きな転機となりそうだ。現在「スッキリ」のほかTBS系「がっちりマンデー！！」「人生最高のレストラン」などBS含めテレビレギュラーは6本。今回唯一の帯番組がなくなることになる。近年は司会業での活躍も目立っているが、新たな活動の場を見つけられるか注目が集まりそうだ。