1975年(昭50)に日本レコード大賞を受賞した、都はるみの「北の宿から」の編曲で知られる、作曲・編曲家の竹村次郎さん(たけむら・じろう)が9日午前2時25分、肺炎のため都内の自宅で亡くなった。89歳だった。長く役員を務めていた大手芸能事務所のサンミュージックが11日、発表した。

竹村さんは、1933年(昭8)8月26日に東京・向島で生まれた。ビッグバンドの編曲を数多く手掛けた。その中、1968年(昭43)の青江三奈さんの「伊勢佐木町ブルース」や、八代亜紀が日本レコード大賞最優秀歌唱賞を受賞した77年「愛の終着駅」、180万枚と大ヒットした1982年(昭57)の大川栄策の「さざんかの宿」と、ヒット曲の編曲を行い、編曲家として不動の地位を築いた。

一方で、酒井法子の「のりピー音頭」など、編曲する楽曲は幅広かった。また、プロ野球阪神の大ファンとしても知られ、朝日放送の道上洋三アナウンサーが歌唱した85年「阪神タイガースかぞえ唄」を作曲した。

通夜は13日、葬儀・告別式は14日、都内で営まれる。喪主は長男の竹村高太郎さん(たけむら・こうたろう)。死因は肺炎だが、関係者によると新型コロナウイルス感染によるものではないという。