俳優伊藤英明(47)が、30日放送のNHK総合「ファミリーヒストリー」(午後7時57分)に出演し、幼少期の頃に慢性腎炎を患っていたことを明かした。

さらに悪化すれば将来、透析が必要になるレベルだったという。伊藤の母、晴子さんは「ショックでしたね。そのときはすごく英明と抱き合って泣いたことを覚えています。車の中でもずっと泣いて帰った覚えがあります。子どもが本当に苦しいって言ったら、親は地獄ですよね。本当にそう思います。子どもが『苦しい、苦しい』って言ったら、それを聞いている親は地獄におるみたいですよ」と当時を振り返った。

晴子さんは英明の妹聡美を自転車に乗せて、毎日病院へ片道40分の道のりをこいでいたという。聡美さんも「保育園に迎えに来て、すぐ病院へ行ったり。それを毎日繰り返しで、毎日大変でした本当に。でも私の前では明るかったと思います。大丈夫、大丈夫って言ってました」と証言。伊藤も晴子さんについて「自分を犠牲にしてでも、守ってくれている愛情はいつも感じていました」と語った。

そんな晴子さんを支えていたのは、伊藤の父勲さんだった。「病院へ泊まって、毎日交代でね朝晩と。悪いことは考えなかったですね。悪くなるってことは。考えないようにしていた。時がたてば、少しずつ良くなると思っていました」と当時を回想した。

伊藤が10歳のとき、転機が訪れた。へんとうを腫らすことが多く、同箇所を摘出する手術を受けると、腎臓の状態が劇的に改善された。当時の担当医は「へんとうはウイルスに対しても余計な反応をする場合が時々あるんです。その過剰反応を、へんとうを取ってしまったことで抑えられた。だから伊藤さんは改善の方に向かった」と解説。さらに「その子がこんなに立派になってくれたんかと。それは非常にうれしく思う」と感心していた。

中学生になってからは活発に活動を始めた。高校卒業後は俳優を目指すことになる。その夢が芽生えたのは、闘病生活からだった。伊藤は「いつもテレビしか見られなくて。やっぱり、テレビに出ている人に憧れがあった。元気になったら馬に乗って、ああいうことやりたいと思った。飛行機のコックピットの中で操縦していたり」と当時を回想。その夢をかなえた形となった。

伊藤は現在公開中の映画「レジェンド&バタフライ」に出演している。