歌舞伎俳優尾上菊五郎(80)の孫で、女優寺島しのぶ(50)の長男寺嶋眞秀(てらじま・まほろ)君(10)が、初代尾上眞秀を名乗り、5月に東京・歌舞伎座「團菊祭五月大歌舞伎」で初舞台をつとめる。7日、都内のフランス大使公邸での会見で発表された。

眞秀君はフランス語で自己紹介し「僕は小さいころから歌舞伎が好きでした。いつか、僕とパパの母国フランスで、歌舞伎公演をやってみたいです。お客さまに楽しんでもらえるように練習に励みますので、5月の舞台にどうぞお越しください」とあいさつした。

菊五郎は尾上眞秀という名前について「菊なんとかとかいろいろ考えたんですよ。でも、当人が眞秀でと言うので。もう売れてるので、眞秀を使いたいと。初代尾上眞秀で出発することになりました」と話した。

初舞台の演目について菊五郎は、戦国時代の武将でひひ退治で知られる岩見重太郎を主人公にした新作を考えているとし「立役と女形両方させようと思ってます。それは私の通ってきた道でもある。どっちがいいかはやってみないと分かんない。初舞台では両方をやらせてみたい」と話した。

眞秀君は「どっちもやったことはあるんですが、立役の方が多かったので、女形もやってみたい」と目を輝かせた。

叔父尾上菊之助(45)、寺島、父でフランス人クリエーティブディレクター、ローラン・グナシア氏(55)も同席。菊之助は、眞秀君について「舞台を楽しんでいるのが体からにじみ出ている」とし、寺島も「がんこでポリシーを持っている。いろんな方にお会いして、いろんな経験をして、自分で選択して、前に進んでいってほしい」と話した。