9日に食道胃接合部がんのため89歳で亡くなった、元参院議長、宝塚歌劇出身の女優扇千景さんの葬儀・告別式が27日、東京・増上寺で営まれた。

参列した歌手、俳優加山雄三は取材に「(子供の)幼稚園の先生をご紹介いただいたりと、子供たちもみんなお世話になりました。お世話になりましたと頭を下げるほか、言いようがありません」と感謝した。

小泉純一郎元首相は弔辞で「未来に向かって走り抜いた人。凜(りん)としたたたずまいを忘れることはありません」と功績をたたえた。

喪主で長男中村鴈治郎(64)は「母は間違いなく、女優、政治家、女房、最後は母として走り抜けた」とあいさつした。

式が始まる前や、遺骨お見送りの際には、宝塚歌劇を象徴する「すみれの花咲く頃」が流れた。扇さんはハワイが大好きだったということで、最後はハワイアンアレンジされた曲だった。

歌舞伎界からは片岡仁左衛門、坂東玉三郎、中村東蔵、中村歌六、中村雀右衛門、中村芝翫と三田寛子夫妻、松本幸四郎、尾上松緑、片岡愛之助と藤原紀香夫妻、市川猿之助、中村勘九郎、中村七之助、市川中車(香川照之)ら、政界からは森喜朗元首相、小池百合子東京都知事、山東昭子前参院議長らが参列し、尾辻秀久参院議長、細田博之衆院議長が弔詞を読んだ。