なんばグランド花月(NGK)はじめ、全国14カ所にある吉本興業の劇場で1日、「特別公演 お客様に感謝の日」が行われた。

昨年4月1日に創業110周年を迎えた同社がその締めくくりイベントとして、入場料を110円と大サービス。計39公演で1万2900人の観客動員となる。

抽選販売でチケットがプラチナ化したNGKでは、午前10時開演の部から客席は熱心なファンで埋まった。売り出し中の天才ピアニスト、見取り図、ミルクボーイからメッセンジャー、中田カウスらのベテラン芸人が客席を沸かせ、間寛平、すっちーらによる吉本新喜劇も爆笑を誘った。

NGKでの特別公演は計4回。他に、よしもと漫才劇場やよしもと祇園花月、ルミネtheよしもとなどにも多数のファンが駆けつけた。

NGKでの出番を終えた中田カウス(73)は「やはりお客さんあっての我々芸人。120年、150年まで続くかどうかはわからないけど、芸人・社員が毎日緊張感を持ってお客さんのことを考えていきたい」と、今後も積み重ねが重要だと強調した。

見取り図の盛山晋太郎(37)と、リリー(38)は「我々はまだ16年ですが、この場に立てて光栄。東京や大阪だけでなく、各地の舞台に出ますが、お客さんがどこにも来てもらえることに感謝です」と喜んでいた。

またミルクボーイの駒場孝(37)内海崇(37)は「Mー1グランプリに優勝(19年)する前は人気もなかったけど、優勝してからは名前が劇場に出ただけで歓声と拍手があがるようになった。ほんまにありがたいです」としみじみ語った。

吉本新喜劇のゼネラルマネジャー(GM)も務める間寛平(73)は「吉本がなかったら、我々は飢え死にしています。会社とお客さんに感謝感謝です」と本音を打ち明けた。

この日の舞台でセリフの声が妙にうわずって、爆笑を誘った吉田裕(44)は「なんであんな声になったのか理解できません」と照れ笑い。同じ舞台で笑いをかみ殺していたすっちー(51)は「思わぬハプニングからギャグが生まれることもあるんやで」とケガの功名に期待。

吉田とともに新座長に就任するアキ(53)は「1年365日、舞台がいつもあるのは何よりありがたい。そのことに感謝しつつ、200年、300年と今後つなげていってほしい」と夢を描いた。