プロ麻雀リーグ「Mリーグ」の2022-2023シーズン最終試合と閉幕式が19日、都内で行われた。悲願の初優勝を果たした渋谷ABEMAS(アベマズ)のメンバーが喜びを語った。最終戦を任された多井隆晴プロが、ABEMASの監督も兼任するMリーグの藤田晋チェアマンから優勝シャーレや賞金5000万円の目録を渡され、笑顔を見せた。

多井プロは「ようやく、優勝できました」とほほ笑んだ。「僕らはずっと、皆ファイナルに進んでは負けてきて。一番悔しい、他のチームの優勝の瞬間を、僕自身4回も味わっていて」と話し、「優勝するまでは辞められない。悪魔に魂を売ってでも、Mリーグの優勝だけはとりたいと思っていて」と明かした。

「幸いなことに、4人があまり体調を崩すことなく、メンタル的にも、チームワークとか、絆とか、少しずつ育っていて。毎年言ってるんですけど、今年が一番最高の状態だったなと思います」と強調した。チームメートに向けて「この3人には勝った試合でもひどい言葉を投げかけたりしていましたけど、よくついてきてくれました」と感謝した。

さらに藤田氏に向けて「僕は麻雀プロしばらく続けてきたんですけど、何度か辞めようかなって瞬間があって。そのたびに藤田監督に救っていただいて」と伝え、涙ぐんだ。「恩返しができたかなと。自分の中ではすごく満足しています。麻雀プロ続けてきて、今が一番幸せです」と声を震わせ、男泣きした。

さらに「先のことは考えていないですけど、最終日の最終戦に、僕じゃない人が打って優勝したいので。いつになるかわからないですけど、この3人に打ってもらって、もう1度優勝したいと思いました」と笑った。その上で「他のチームにもすごい選手がたくさんいるので。僕よりも頑張ってるんで。全員を応援してください。ありがとうございました」と呼びかけ、再び涙した。

渋谷ABEMASは多井プロ、白鳥翔プロ、松本吉弘プロ、日向藍子プロの4人のチーム。Mリーグがスタートした2018-2019シーズンから4季連続でファイナルに進出し、いずれも3位となっていた。今季も5年連続となるファイナル進出を果たし、悲願の戴冠となった。

優勝の瞬間、多井プロは喜びをかみしめるように卓上を見つめていた。チームメートの3人が合流し、笑顔でハイタッチ。身を寄せ合って、喜びを分かち合った。