嵐の櫻井翔(41)が5日、月曜キャスターを務める日本テレビ系「news zero」に生出演し、ジャニーズ事務所の元所属タレントがジャニー喜多川前社長(19年に死去)からの性加害を訴えている問題について言及した。

この日、ジャニー前社長からの性被害を訴えている元ジャニーズJr.のダンサーで俳優の橋田康さん(37)、歌手カウアン・オカモトさん(27)、二本樹顕理さん(39)が国会を訪れ、未成年への性加害を防ぐための児童虐待防止法改正を求める約4万人分の署名を、与野党に提出した。

櫻井は「この件について自分の言葉でお伝えできればと思います」と切り出し、「今回の件ですが、私には2つの側面があると考えています。1つ目は、今問題の責任が問われている事務所に所属しているということ、もう1つは、大きな意味では自分が被害者側に見られうる立場に置かれているということです」と説明。「2つの側面を踏まえますと、コメントすることは難しいと考えていました」と明かした。

「今もまだどの立場でどうお話しできるのか…難しいのですが」とした上で、「お伝えしたいことの1つは、臆測で傷つく人たちがいる、ということです。かつて同じジャニーズJr.として、時間を共にしてきた大切な仲間の中には…」と声を詰まらせ、呼吸を整えた。そして涙を浮かべながら「既にこの世界と全く違うところで、新しい人生を歩んでいる人たちもたくさんいます。そういう人たちも含めて、あらぬ臆測を呼び、今回の問題の対象となってしまうことは、何よりも避けなくてはいけない。避けたい」と訴えた。

さらに「そこを考える中で、私自身発言すること自体が、また臆測を呼び、広げ、無関係な人々まで傷つけることにつながるのではないかということを、恐れています」と続けた。

終始しっかりと前方を見つめながら「ただです。だからこそ」と前置きし、「ジャニーズ事務所は、話したくない人の口を無理やり開かせることなく、しっかりとプライバシーを保護した上で、どのようなことが起こっていたのか調査してほしい」と述べた。「そして、被害を訴える方々、ならびに、本日提出された署名をした皆さんの思いを重く受け止め、二度とこのような不祥事が起こらない体制を整えなければならないと思います」と伝えた。

そして「最後に。あらゆる性加害は絶対に許してはならないし、絶対に起こしてはならないと考えています」と強調した。

今年3月に英BBCがジャニー氏の性加害問題を扱うドキュメンタリー番組を放送。4月にカウアン・オカモトさんが会見を行い、ジャニー氏からの性被害を訴えた。ジャニーズ事務所の藤島ジュリー景子社長は先月14日、動画や書面で謝罪し、再発防止策の設定や、経営体制の抜本的な見直しなどを発表していた。

先月21日には東山紀之(56)が、MCを務めるテレビ朝日系「サンデーLIVE!!」に生出演。同事務所の“長男”として所属タレントとして初めて問題に触れ「ジャニーズという名前を存続させるべきなのか」などと厳しい表情で語った。

同26日には、ジャニーズ事務所が対応策を発表した。WBC侍ジャパンのヘッドコーチ白井一幸氏ら3人の「社外取締役の就任」「心のケア相談窓口の開設」「外部専門家による再発防止特別チームの設置」の3点を報告していた。