来年10月13日の退団を発表した宝塚歌劇団の雪組トップ彩風咲奈が27日、大阪市内で会見した。
スーツ、シャツ、靴まで白で統一した彩風は、緊張の面持ちからじょじょに笑顔を見せ、ファンへ、宝塚へ、雪組の仲間への感謝を繰り返した。
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-退団まで9カ月、どう過ごしていくか
彩風 私は自分でもかっこいいトップスターじゃなかったと思っています。雪組の男役の集大成としてはもちろんですけど、これからもかっこつけることなく、いろんなことに挑戦して、転んでもがいて、体当たりで、最後までやりたいと思っています。
(雪組は)ほんとにみんな優しい、どんな時も見守ってくださるような。上級生も下級生も、自分をさらけ出せる環境をつくってくださった。みんなが温かい組を作ってくださった。
-かっこいいトップスターではなかったと思う理由は
彩風 思い描いていた、自分が見てきたトップスターさんに比べて、今も。まだまだどの方にも届いていない。まだまだできるんじゃないか、というのがありまして。1回の公演に100練習とか、私は不器用ですし。そんな私を、コソコソ(練習を)やらなくても、みんなが100回の練習を見てくれる。そこが、自分の理想の中ではトップスターさんは完璧で-というのがあって、私の中での「かっこいい」とは離れていて(笑い)。
-退団を意識したのは
彩風 就任した時から、次に私がする一番の大仕事は、宝塚を卒業することだなと頭にありまして。具体的にいつとは決めていませでしたが、私はやはり、宝塚の男役が大好きで、でも、毎日毎日の舞台にやはり自分がベストパフォーマンスで出ることが一番だと感じておりますので、自分がどこまでそのお客さまに良いものをお届けできるかということで、これぐらいの時期かなというのは考え始めました。
一番強く思ったのはオデッセイで、1月の東京(公演)ができなくなり、梅田芸術劇場で夏に上演があり、お客さまの温かさに。今でも思い出すと、もう、本当に涙が出るぐらい、幸せな公演でした。そろそろかなって。
-雪組の仲間にはいつ伝え、どんな反応だった
彩風 会見の少し前に。皆さん、すごく温かく受け入れてくれました。いつも通り稽古も。本当に何か特別にということもなく。退団を決意してからは、自分だけが分かっているのが寂しくなってしまったりして(笑い)。皆さまにも早くお伝えしたかった。来年も雪組で頑張っていくという気持ちで臨みたかった。
-トップ娘役の夢白あやには
彩風 この(今作の)お稽古が始まってすぐに伝えました。彼女とはやっと1年ですので、あやちゃんには「自分の宝塚人生をまっとうした」と思える時に退団してほしいと言いました。その後、彼女から「自分はまだ宝塚でやりたいことがあるので」と言われました。
彩風は、来夏に兵庫・宝塚大劇場で開幕する「ベルサイユのばら-フェルゼン編-」東京宝塚劇場千秋楽をもって、退団する。