演歌歌手の八代亜紀さんが、昨年12月30日に73歳で亡くなっていたことが9日、分かった。八代さんの座長芝居で共演以降、親交が深かった俳優大村崑(92)が八代さんとの思い出を振り返った。

大村はこの日、フィットネスクラブでトレーニングを終えた後に知ったといい、「ビックリして、腰を抜かしました。体を鍛えて、また一緒に芝居しようねって話をしようと思ってたら…死んじゃった…死んだらもう会えない」と言葉を失った。

大村と八代さんの付き合いは長い。八代さんは歌だけでなく、全国の劇場で座長公演を行い、八代さんの芝居を支えたのが大村だった。「芝居が好きでね。副座長をつけないと-ということで、僕がついてたんです」と振り返った。

八代さんは公演後、ダンサーら共演者とバリ島に旅行し、打ち上げを行うなど面倒見が良かった。大村も「優しい人」と思い起こし、20歳ほど年下だが、面倒見の良さに感心したという。

「(東京での公演だと)大阪から来てる私を気遣って、『変なもん食べて病気になったら困る』って料理を作ってくれた。2人で楽屋のこたつに足を入れて食べながら『崑さん、おいしい?』って」。大村がケガで入院した時には、見舞いに訪れ「手を握って『もう大丈夫よ』ってなぐさめてくれた。まるで姉のような存在だった」。

互いの家を行き来するなど、家族ぐるみの付き合いを重ねた。10年3月1日の大村の金婚式には八代さんがサプライズゲストとして出演したこともあった。

「モニターに八代さんが映って『おめでとうございます』って。九州にいるってことだったので『ありがとうね、また会おうね』って答えたら、サプライズで上手の方から出てきてくれて。僕を驚かせてあげたいって気持ちだったんだと思う」

八代さんが昨夏から活動休止していたことは知っていたが、膠原(こうげん)病を患い闘病生活を続けていたことは知らず、「電話の1つでもくれたら話もできたのに…芝居でもプライベートでもつながったのに、黙って冷たくなってしまうなんて。ひきょうだ」と絶句。

「俺、何て言ったらいいのか。92歳まで生きて、みんな先に死んでいくんだもの…。本当に残念です。絶対に八代亜紀を忘れないでやって下さい」と早すぎる死を惜しんだ。