昨年末に「週刊文春」に性行為強要疑惑を報じられ、ダウンタウン松本人志（60）が同誌を発行する文藝春秋ほか1名を被告として起こした、約5・5億円の損害賠償請求等訴訟の第1回口頭弁論が28日、東京地裁で行われた。

松本は姿を見せず、双方の代理人弁護士が準備書面などを提出し、約5分弱で終了。松本側が、報道記事内で出た性行為を強要されたと訴えた「A子」「B子」の女性2人らの特定を要望していることなどが明らかとなった。次回は6月5日に行われる。

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松本人志側代理人の田代政弘弁護士は口頭弁論後取材に応じ、松本が憔悴（しょうすい）しているのか聞かれ「いやいや、普通に生活しています。別に憔悴しているわけではない。普通に、淡々としていますよ」と答えた。「必要に応じて連絡を取り合って、打ち合わせはしています。電話の時もあれば、直接お会いする時もある」と説明した。

松本が出廷する可能性については「今後の展開次第じゃないですかね。一般論で言えば、本人尋問が普通はあることが多い。ご本人が出廷を拒否することはないと思います」と述べた。芸人仲間が出廷する可能性もあり「必要であれば必要な証人をお願いすることになる」と話した。

争点については「文春の記事が松本さんの社会的評価を下げたかどうか、というのがまず最初ですよね。その上で、下げたことについて公益性、公共性、真実相当性があったのかどうか、ということ」と説明。酒席があったこと自体は争点ではないという。

松本に性行為の強要を受けたと訴えた「A子」「B子」について住所や氏名、写真などの特定を求めた松本側の主張に、文春側の喜田村弁護士が疑問を呈したことを受けて、「そちらの言う『A子さん』『B子さん』は誰なんですか、と聞くのは当然のこと」と反論。「『A子さん』『B子さん』が分からないから、いつのどの酒席を言ってるのか分からない。まず『A子さん』が誰か、はっきりしてもらわないと。『B子さん』も同じ」と強調した。

◆田代政弘（たしろ・まさひろ）1967年（昭42）1月生まれ、東京都出身。90年、早大社会科学部卒業。95年、司法試験合格。検察官検事として「陸山会事件」の捜査で、虚偽の捜査報告書を作成したとして刑事告発された。嫌疑不十分で不起訴になったものの減給、懲戒処分を受け検察官を辞職した。14年八重洲総合法律事務所入所。15年税理士登録。国学院久我山の監督としてマスターズ甲子園本大会に出場したこともある。早大野球部では小宮山悟監督と同期。