竹下景子(71)関口まなと(39)親子が30日、東農大学世田谷キャンパス横井講堂で、参加型裁判演劇「極刑」に出演した。親子での舞台は初共演。
参加型裁判演劇は、参観した観客とともに判決を考えるもの。裁判員裁判をリアルに体験できるいわば模擬裁判であり、毎回裁判の進行と判決が変わる。
事案は強盗殺人事件。関口演じる被告人佐瀬研一は、借金に追われ、かつての勤務先経営者堀川秀男に相談するも1度は拒絶される。だが、事務所の机にはいつも数万円の現金があることを思い出し、盗むことを決意する。
佐瀬は事務所に侵入するも堀川に見つかり、持っていたナイフで堀川と様子を見に来た妻良子を殺害の上、現金12万を奪って逃走。その半年後、弁護士と出頭。検察は死刑を求刑、弁護人は死刑回避を主張という内容だ。竹下は佐瀬の母美津子を演じる。
2人は、観客の中から選ばれた裁判員役の質問に答えるアドリブ劇を存分に見せつけた。中でも証人尋問に呼ばれ登壇した竹下は、涙ながらに息子を気遣う母の姿を演じて見せた。
また、情状尋問で母への思いを聞かれた関口は「母なりに生きてきたと思うのに、自分がこんな事件を起こし申し訳なく思っています」と話すと、顔を手で覆うシーンもあった。演劇という虚像の世界で、実の親子という実像を感じさせるシーンとなった。計らずとも、ともに涙の初共演となった。
同舞台の総合演出を手がけた今井秀智弁護士は「裁判員制度が始まって今年で16年目。一昨年から18歳以上が裁判員に選ばれることになった。高校生が裁判員に選ばれる可能性も出てきた」とし、「改めて裁判員制度の異議を問うとともに裁判員になるときの心得をもっていただこうと企画した」と話した。
終演後、日刊スポーツの取材に応じた竹下は「緊張しましたが、なかなかできない経験をさせていただいて、役を越えて物語の中の親子を演じられて感無量です」とし、「息子のことを改めて振り返って反省したり、いろんなことができました」と述べた。
関口は「家でならそんな話は絶対しないよねという話を終盤に触れてきて、すごく恥ずかしい部分はあった」としつつ、「お客さんから見て実の親子でもあるわけで、そこがどう見られたのかが気になるけど、楽しんでいただければ」と話した。
情状尋問で顔を手で覆ったシーンについて、関口は「役の枠を乗り越えていたかなと言うのはある」とした。その上で「後から思うと今井先生が意図的に入れたパスかなと」と笑った。
今後の親子共演について竹下は「私はどこでもついていくわよ。まなとがいいと思ってくれればね」とニコリ。これを受けた関口は「僕がいいと思っていただけるのであれば、母がいても全然いいです」とほほ笑んだ。



