「黒い瞳のナタリー」や「ビギン・ザ・ビギン」などのヒット曲で知られるスペインの国民的歌手フリオ・イグレシアス(82)が、元女性スタッフから性的並びに身体的暴行を加えたと告発されたことを受け、「事実無根」だと完全否定した。米テレビ局ユニビジョンとスペインのエル・ディアリオ紙が13日に報じた3年間にわたる調査報道で、疑惑が浮上していた。

米ABCニュースなど複数の米メディアによると、イグレシアスは2021年1月から同年10月にかけてドミニカ共和国とバハマに所有する邸宅で働いていた女性2人からセクハラなど性的暴行と強制労働を目的とした人身売買を告発され、スペイン当局が調査を始めたと伝えている。スペイン高等裁判所は、5日に正式な告発状を受理したと発表している。

女性たちは、イグレシアスから日常的に性的嫌がらせを受けていたほか、働いていた邸宅からの自由な外出を制限されたり、休みなしで1日最大16時間の労働を強いられていたなどと主張しているという。

イグレシアスはインスタグラムを更新し、「私はいかなる女性に対しても、虐待、強要、屈辱的な行為は行っていません。これらの告発は全くの虚偽であり、深い悲しみを感じています」と述べている。

ラテン音楽の世界で最も成功したミュージシャンの一人であるイグレシアスは、1970年から80年代にかけて米国をはじめとする世界中で絶大な人気を博し、歌手エンリケ・イグレシアスの父親としても知られる。(千歳香奈子)