先日、乃木坂46の岡本姫奈(22)にインタビューする機会に恵まれた。「41stSGアンダーライブ」で座長を務めるにあたっての意気込みや準備などを聞き、連載「坂道の火曜日」で記事を掲載した。

これまでも座長、センター、初選抜などのタイミングでさまざまなメンバーを取材させていただいたが、今回ほど本当に大きなものを背負っているんだなと表情から察せられる回は初めてだったように思う。日常的な話題や、自身が習っていたバレエの話題は明るい笑顔で会話が弾むが、会話がライブの方向へ進むと瞬間的に不安そうな表情になる。話題の往復もあり、その変化は何度も見て取ることができた。最近、インタビューの際に記者が相手の表情への意識を高めていることもあって、その姿はとても印象的に映った。

一方で、不安そうな表情ではありつつも、その言葉自体は決して後ろ向きではなかった。

「自分ができているって思えたことはなくて、でも、だからこそ自分で見える『こうしたらもっと良くなるかな』ってところを毎回突き詰めて、少しずつ自信になっていて」

「私にアンダーライブを教えてくれた先輩はもうどんどん卒業しちゃって、後輩でいるのってすごく幸せだったんだなって思うこともあります。でも、これからは私たちが先輩をしなきゃいけない。乃木坂46をつないていくにはどうしたら良いか考えています」

マイナスに近い感情から、プラスへと自ら歩み出そうとしている、歩んでいる、そういった感覚を受けた。

後輩に「声かけは個々で変えている」「一番意識しているのは褒めること。先輩が寄り添わないと誰が寄り添うんだって思います」など、真っ正面から向き合う姿はまさに理想の先輩のよう。記者が思ったことをそのまま口にし「理想の先輩過ぎませんか」と聞くと「ヤバい! そんなことないです」と笑った。

インタビューを通して、この思いをどう伝えるべきか、重要な要素、発信したい言葉がとても多く、取捨選択が難しく感じたのが事実。不安を抱えながらも立ち向かっている岡本に応えようと思えば、原稿を書くにもより一層、気合が入った。

それから数日後、実際にライブを観覧。客席から見た岡本は、インタビューの時のような表情は浮かべていなかった。1曲目から表情豊かにパフォーマンスをしていて、変な表現ではあるが記者も安心するような思いで見ていた。

スピーチでは、グループを受けついでいく思い、平日にファンが来てくれることが当たり前ではないという感謝など、熱い言葉を涙ながらに伝えた。取材でも度々出ていた言葉だったが、同じような言葉でも全く違う表情で、全く違う力のこもり方で伝えており、壁を乗り越えてたどりついた景色なんだなと、心を打たれるような感覚であった。

誰かの言葉や思いを伝えるのが記者の仕事の1つ。今回は先述の通りポイントを絞るのが本当に難しいところではあったが、ステージを見て、選んだポイントは間違っていなかったなと実感。岡本の熱い思いに触れて心を動かされ、改めて自らの役割を再認識した。

 

岡本姫奈さん、座長、本当にお疲れさまでした。【寺本吏輝】