【ソウル17日=松本久】チョー・ヨンピル(59)と並ぶ韓国の国民的歌手で不動の人気を誇るテ・ジナ(56)が、19日に日本語の新曲「すまない」で日本デビューすると同地で発表した。テレビ20台など約100人の取材陣を前にして「ライバルは東方神起とビッグバン。新人のつもりで頑張る」と、不退転の覚悟を表明した。

 日本の演歌にあたるトロット歌手として30年以上の実績を重ね、“韓国の北島三郎”の異名を持つ実力派。自宅には約200個の各賞トロフィーなどがずらりと並んでいる。「韓国ではもうこれ以上、高いところはない。日韓の文化交流で国境が消えた今、『アジアのテ・ジナ』になるために日本に行く」と宣言した。

 原色スーツとど派手なステージ、スケール感のある歌声が魅力だが、素顔は気さくな庶民派だ。町中のどこを歩いても、老若男女に「テ・ジナだ」と声をかけられ気軽にサインに応じる。日本の記者から間寛平に似ていると指摘されると「ぜひ会って食事をしたい。セッティングして」と、ウインクで答えた。

 韓国歌謡界の父として、東方神起のメンバーから「アボジ(お父さん)」と呼ばれているが、明日からは“息子たち”がライバルだ。「彼らぐらいには成功できると確信しているよ」。奇策や手品ではない。来月から日本に移り「新人テ・ジナ」として勝負する。

 [2009年8月18日6時56分

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