若い女性が出演する「着エロ」と呼ばれる過激DVD販売などで得た所得を隠し、約6000万円を脱税したとして、東京国税局が法人税法違反容疑で東京都港区のDVDソフト制作会社「レイフル」と落合孝介社長(36)を東京地検に告発していたことが22日、分かった。着エロは一般的に、露出度の高い衣装の女性が、わいせつなポーズや動作をするイメージ映像で、最近人気のジャンル。同社長は着エロブームを仕掛けた「有名プロデューサー」の1人という。

 関係者によると、落合社長は09年6月期までの3年間に、架空の業務委託費を計上するなどの手口で約2億円の所得を隠し、法人税約6000万円を免れた疑いが持たれている。レイフルは既に修正申告したもようだ。隠した所得は自宅マンション購入費の一部などに充てていたという。落合社長は22日「すでに修正申告に応じて、(金を)支払っている」と話した。

 レイフルのホームページ(HP)によると、同社は03年8月に設立され、従業員は10人。若い女性が露出度が高い格好でセクシーなポーズをしたり、わいせつなアクションをする内容が一般的な「着エロDVD」制作販売を中心に、売り上げを伸ばしているという。HPには、約300作品のDVDが掲載されている。

 同社や落合社長は、着エロ業界で有名な存在。06年の時点で、週刊誌に「AV(アダルトビデオ)よりエロい」「着エロ界のキングメーカー」「過激アイデアでDVDがバカ売れ」などとして作品が特集されたこともある。それらには巨乳女性が身をよじるゲームをしたり、裸に近い格好の女性に牛乳や白い液をかけたり、Tバック姿の女性にローションを塗って別の女性が下半身を触ったり、拘束した女性に電動マッサージ器具をあてるなどの“プレー”が収録されている。

 落合社長も「プロデューサー」として考案していたとみられ、週刊誌で「エロの天才」と称されたことも。出演歴がある女性は「撮影中、内容が過激になっていき、撮られながら『ここまでやるなんて聞いてない』と恥ずかしかったこともあった」と証言した。

 落合社長を知る芸能プロ社長は「着エロ界の有名プロデューサーで、商売上手だと思う。ギャラがそれほど高くない無名の女性を出演させ、過激な内容の作品を制作し、売り上げを伸ばしているという印象だ」。同社は昨年7月、16歳の女子高生がわいせつな水着姿で出演するDVDを制作したなどとして、児童買春・ポルノ禁止法違反容疑で摘発されたことがある。

 [2010年4月23日10時27分

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