NHKは17日、「週刊こどもニュース」(日曜午前8時5分)を12月19日の放送をもって終了すると発表した。理由は「こどもニュースといいながら、実際の視聴者は高齢者が圧倒的に多かったから」という。94年にスタートした同番組は、お父さん役の解説委員が家族にニュースを分かりやすく説明する設定で人気を得ていた。初代「おとうさん」は、ジャーナリスト池上彰氏(当時、NHK職員)だった。後継番組として、NHKは来年1月から解説番組「ニュース

 深読み」をスタートさせる。

 「週刊こどもニュース」は、小学校高学年から中学生を対象に、1週間のニュースを分かりやすく伝えるコンセプトで放送されてきた。家族にニュースを解説する初代お父さん役を、05年3月まで池上氏が務めていた。しかし、視聴者層はNHKが狙ったターゲットとは違っていた。

 日向英実放送総局長は具体的な数字は明かさなかったが「『こどもニュース』のタイトルでやっているが、見ている子供は少なかった。実際には高齢者が圧倒的に多かった」と説明した。分かりやすく伝える手法を培ったことは評価されるとしたが、NHKは「これでいいのか」との疑問を持っていたという。発展的な新しい番組にしたらどうかという声が高まっていた様子を紹介した。

 同番組は3月までは土曜の午後6時10分から放送され、平均視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区)は約8%を記録してきた。4月から日曜の朝の時間帯になったことで、4%前後となった。民放ではアニメが放送されている時間帯で、子供の視聴者を獲得するには苦戦を強いられる状況でもあった。

 NHKは同番組を終了する代わりに、後継番組として来年1月15日から「ニュース

 深読み」(土曜午前8時45分)をスタートするという。「週刊こどもニュース」の持つ分かりやすさ、丁寧に伝える姿勢を維持し、子供から大人まで家族で見ることができる番組を放送するという。キャスターは決定次第、発表される予定だ。

 [2010年11月18日8時6分

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