歌手浜崎あゆみ(32)が電撃結婚を表明した。年が明けた1日の午前2時すぎに、インターネットの会員制公式サイト「Team

 Ayu」で明かした。相手は、米ロサンゼルス在住のオーストリア国籍の俳優マニュエル・シュワルツ(30)。8月下旬に「Virgin

 Road」のプロモーションビデオ(PV)で結婚相手として共演したのがきっかけ。出会いからわずか4カ月のスピード結婚だが、妊娠はしていない。今月中にも婚姻届を出す予定という。

 NHK紅白歌合戦にトップバッターで出場したあゆは、まさにバージンロードを歩いて登場した。NHKホール観客席の赤い通路を、30メートルのロングベールをかぶった純白ウエディングドレス姿で、ゆっくりと降りる。選んだ歌は、運命の彼と出会ったきっかけの「Virgin

 Road」。自らの結婚を祝うように、自身初のウエディングソングを、ロサンゼルスにまで届かせる思いで丁寧に、丁寧に歌い上げた。涙はなく、優しい笑みで宙を見つめる。万感の思いをかみしめていた。

 11年連続で続けるNHKそばの代々木第1体育館での「カウントダウンライブ」を終えると、公式サイトにコメントを発表した。

 「私、浜崎あゆみは、ひとりの人間として、ひとりの女性として、もうひとつのかけがえのない愛に出逢(あ)いました」。

 関係者は「本人の思い入れが深いカウントダウンライブを発表のタイミングに考えたようだ」と話した。

 ファンも関係者も驚きの、スピード婚だ。夏に撮影した同曲のPVは、結婚式を挙げたあとに銀行強盗をして逃避行する、エキセントリックな新婚カップルを描くドラマ仕立てだった。オーディションで、あゆの新郎役に選ばれたのがマニュエルだった。あゆも最終選考にはかかわったという。約180センチの長身で、長髪に口ひげとあごひげをたくわえた二枚目。濃いめのキアヌ・リーブスといったイメージの白人男性だ。すでに初共演時から、不思議とカップルの間柄がぴったりだったという。

 10月11日に代々木第1体育館7daysライブで全国ツアーを終えると、すぐに再渡米した。ロスでの1カ月間のアルバムレコーディング中に、より親交を深めたもようだ。そのときに新アルバム「Love

 songs」のために撮影した、同名曲と「Last

 angel」のPVでも再共演した。2人の交際を知らなかったスタッフらは「また同じ俳優だけれども、よっぽど息が合うのかな」と感じていたという。帰国後の12月初旬に、所属先エイベックス松浦勝人社長に「大事な話がある」と声をかけて、同月中旬の会食で報告した。

 当面はあゆが日本、マニュエルが米国という遠距離の結婚生活を送る。ただ、数年前からレコーディングは毎回ロスで録音しており、年に3、4回は渡米。「1年の約3分の1は、ロスで生活しているので、同じようなペースでしょう」(関係者)。人目を気にせずにのびのびできるロスで愛にあふれた新婚生活を、国内では従来通りにコンサートなどの仕事に専念する。

 浜崎は20世紀末にブレークして以降、歌だけでなくファッションやメークなどの若い女性のライフスタイル全般で、カリスマとして君臨してきた。国際結婚は珍しくなくなった現代だが、働く女性の「遠距離国際婚」という新しいスタイル。国民的歌姫は、これからも時代をリードしていく。【瀬津真也】

 [2011年1月1日9時29分

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