テレビ朝日系「警視庁捜査一課9係」(水曜午後9時)が今日5日、最終回を迎える。放送を前に、加納倫太郎係長役で主演する渡瀬恒彦(68)と浅輪刑事役の井ノ原快彦(36)が都内で取材に応じた。

 同ドラマは、濃いキャラクターの刑事たちが個性をぶつけ合い、時には衝突しながら、最後は結束して難事件を解決するという群像劇。06年にシリーズがスタートし、今回が「シーズン7」となる。渡瀬は「『9係』では本題の事件捜査と刑事個々のキャラクターを描くことの、どちらに重きを置くかがよく問題になるんです。そのバランスがいつも難しいんですが、今回はそれもうまくいっているのかなと思います」と振り返った。

 渡瀬、井ノ原をはじめ、羽田美智子、津田寛治、吹越満、田口浩正ら9係メンバーは、スタート時から変わらない。記者会見なども和気あいあいの雰囲気で、これだけ俳優、スタッフのチームワークの良いドラマも珍しい。渡瀬は「みんなが『9係』というドラマが好きだということだと思いますよ。そういう意味でいい雰囲気というか、いい関係ができていると思います」と分析。井ノ原も「(俳優やスタッフが)どんなところで、どう衝突しても、(ドラマを)良くしようとしているベクトルが好きです。どこかで衝突しても絶対大丈夫だ、良くなるという自信があります」。

 最終回「殺人オーケストラ」は、人気女性作曲家がコンサート会場の控室で殺害された事件を、9係が追う。井ノ原は「一見ややこしく、犯人なのか、違うのかという人たちがいっぱい出てくるんですけど、それが徐々に明確になっていく。そこが面白いですね」などと説明していると、渡瀬が突然口をはさんだ。「あ、見どころですよね。一言です。最終シーンの最終カット」。「9係」の来シーズン以降の新たな展開をうかがわせるシーンになっているという。

 ◆最終回あらすじ

 人気作曲家の彩華(月船さらら)がコンサート会場の控室で殺害された。現場に駆けつけた倫太郎(渡瀬)は、オーケストラのメンバーの中に、友人の医師・大町(林与一)の娘詩音(原史奈)がいることに気付く。倫太郎が「お父さんは僕の友人で…」と話しかけると、詩音は「父ではありません」と言い放つ。そんな中、彩華と恋仲だった指揮者の佐久間(池内万作)が容疑者として浮上。しかし佐久間には動機がない。捜査が迷走する中、彩華のCDを聴いていた倫太郎の顔色が変わる。