<連載「気になリスト」(45)>

 もう1人のエビちゃんが話題になっている。モデル蛯原友里(33)の双子の妹で、チャイルド・ボディー・セラピストの蛯原英里さん(33)。8日放送のテレビ番組で初めて姉妹共演した後、「蛯原英里」の名がヤフー「急上昇ワードランキング」で上位にランク。今回、新聞紙上で初のツーショット撮影にも応じた。かつて病院に勤務した英里さんは昨年5月、都内にベビーマッサージサロン「ena

 AMICE」(エナ・アミーチェ)をオープン。母親と赤ちゃんが築く信頼関係の大切さを訴えた。

 今月5日、友里が日本テレビ系「スター☆ドラフト会議」での英里さんとの初共演をブログで告知すると、蛯原英里の名が、ヤフー「急上昇ワードランキング」で、NHK大河ドラマ「八重の桜」の吉田寅次郎(吉田松陰)らとともに上位にランク。8日に放送された番組収録を「すごく緊張しました」と振り返ったが、姉がフォローしてくれたことがうれしかった。「本当に不思議な感じでした。姉妹は普通、すっぴんで話すじゃないですか。それがお互いきれいにして。緊張していた私を友里が温かく導いてくれました」。

 00年代に友里が「エビちゃん」としてブレークした頃、英里さんは千葉県内の病院のNICU(新生児集中治療室)で働いていた。すぐに「双子の妹は千葉の病院で働いている」と話題になったが、仕事には集中できたという。「『エビちゃんだ』と言ってくることはあっても、殺到することはなかったです。NICUで良かった。一般病棟だったら大変だったでしょうね」。

 一卵性双生児で、固い絆で結ばれている。英里さんの夫(37)は「今でも一緒にお風呂に入るし、食事してすぐ眠くなるのも同じ。ソファに寝そべる時も、不思議と同じ格好です(笑い)」と証言する。姉がブレークした当時、体調面が心配でならなかった。「心配で夜勤明けに何度も東京に行きました」。一方で「しょっちゅうけんかしてます。友里の洋服を借りて返すのが遅れたりとかでね」。それでも「頼れる存在で、すごく尊敬してます。サバサバした性格ですが、仕事は決して妥協せず、完璧に努力しますから」と素直に話せる。

 NICUで6年働いた後、08年にアパレル業界に転職し、PR業務を担当した。だが、「誰のために何をやっているのか」と戸惑うことも多かったという。「もっと、ママの近くで応援したい」という思いが募り、昨年5月、夫と都内にベビーマッサージサロンをオープンした。

 「自分も未熟児で生まれて保育器で育ったので、今の仕事に運命を感じます。触れ合いがないと赤ちゃんは情緒不安定になってしまいます。最近サイレントベビーが多いんです。おなかが減っても、『どうせ泣いても来てくれない』と諦め、泣かなくなるんです。ベビーマッサージって奥が深いんですよ(笑い)」。

 カリスマモデルとして輝きを増す姉に刺激を受け、英里さんも人の心と体を育てる「天職」にまい進している。【山田準】

 ♥蛯原英里(えびはら・えり)1979年(昭54)10月3日、宮崎県生まれ。高校卒業後に上京し、看護専門学校入学。卒業後に千葉県内の病院のNICU(新生児集中治療室)に6年勤務した。その後、一時アパレル業界に転職してPR業務を担当。昨年5月から、ベビーマッサージ、チャイルド・ボディー・セラピストインストラクターなどの資格を生かし、ベビーマッサージサロン「ena

 AMICE」を都内に設立。04年に結婚した夫(37)が社長を務めている。

 ◆ベビーマッサージ

 母親が赤ちゃんと触れ合い、生命の尊さを実感することができる心と体のコミュニケーション。誕生後すぐにタッチケアを通じたコミュニケーションを行うことで、赤ちゃんは愛されていることを体感し、情緒不安定になることなく家族との絆を実感するという。肉体的にも脳の発達、血行促進、免疫力の向上、便秘回避、夜泣きの軽減など、多くの効用があるという。母親にとっても、赤ちゃんに寄り添って気持ちを感じ取ることで、信頼や絆をはぐくみ、育児に対する自信、ゆとりを得ることができるという。

 ◆姉は妹を「頑固だけど努力家」

 エビちゃんは、妹の英里さんを陰に日なたにサポートしている。今回のテレビ初共演も、英里さんが生涯の仕事として取り組んでいるベビーマッサージを紹介したいという思いから実現した。「ベビーマッサージの講演をやってて、(家で)トークの仕方とか繰り返し練習してますから。頑固ですけど、努力家なんです」。互いに信頼は厚く、友里も、仕事が終わって真っ先に連絡するのが英里さんだという。「私よりも頑張り屋のところがありますから。これからもお互い、励まし合い、頑張っていきたいですね」と話している。(1月21日付

 紙面から)