「優勝はブラジルです!」。サッカーW杯8強が出そろった2日、日系ブラジル人の母親を持ち、サッカーに詳しいタレント加藤理恵(28)が、優勝国を予想した。ニコニコ生放送で日本戦の実況を担当するなど、サッカーへの造詣の深さは筋金入り。世界一を決める熱戦も、現地ブラジルで観戦する。

 加藤は悩み抜いた末、優勝国にブラジルを挙げた。「強いけれど、ムラも穴もあって完璧じゃない。それでもやっぱり、ブラジル。のんびり屋さんで楽観主義者でスロースターターだけど、試合をするごとに調子が上がっている」と分析。エースFWネイマールについては「決定的な仕事をするという意味では大合格ですが、90分間全部を見るとまだまだ。こんなもんじゃない。もっとやれる」と厳しい見方を示した。

 対抗国はオランダだという。「何より勢いがある。自分たちの時間になるとバーンと点を取っちゃう。中心選手の1人ロッベンもきちんと決める。いろいろな戦い方もできるし、こういうチームは強い」。

 「サッカー好きタレント」の枠を超えている。母親の影響もあり、幼少時代からサッカーが好きだった。小学校時代は、Jリーグのキャップをかぶるおてんばで、中学時代にテレビ観戦した国見高の大久保嘉人の活躍に刺激され、サッカーへの興味を深めた。タレントとして、女子フットサルチーム「ミスマガジンフットサル」に所属していた時はチームの柱として活躍。07年4月から1年間、日本テレビ系「サッカーアース」の進行役の1人としてレギュラー出演して各国のサッカーを見る目を養った。

 両親の友人にブラジルのサッカー解説者がおり、ブラジルFWロマーリオが94年W杯で着たユニホームをプレゼントされた。「家宝にしています」。既に4級審判員の資格も取得し、スカパー!のサッカー番組を担当し、日本代表の選手も取材するなど、サッカーキャスターのスキルを上げてきた。

 8強がそろったタイミングでブラジルに渡った。サッカー専門サイトでコラムも担当しており、「今回のW杯は、自分のサッカーの仕事の集大成で、1つのゴール」という。「3位決定戦のチケットは入手したけど、決勝戦も、何とか見たい。それがブラジル戦だったらうれしいですね」。【松本久】

 ◆加藤理恵(かとう・りえ)1985年(昭60)7月29日、東京都出身。日本とブラジルの二重国籍を持つ。小学校時代から子役として活動。05年「ミスマガジン」読者特別賞。特技はサッカー、ポルトガル語、三味線。アマチュア無線4級の資格を持つ。ニコニコ生放送でW杯ブラジル大会の日本戦実況を担当。NHK・Eテレ「にっぽんの芸能」に出演中。血液型B。