人気小説「僕は友達が少ない」が実写映画化されることが24日、分かった。原作は、作家平坂読氏のベストセラーで累計発行部数は555万部。TBS系でアニメ化もされた若者向けのライトノベルだ。ファンの間では略称「はがない」で親しまれている。主人公羽瀬川小鷹をD☆DATE瀬戸康史(25)が演じ、その友人の三日月夜空を女優北乃きい(22)が演じる。メガホンをとる及川拓郎監督が脚本も手掛けた。撮影は6月に終了しており、14年新春に公開予定。

 「はがない」は小説、アニメ、ゲームなどの多メディア展開で、若者たちの間では人気コンテンツとして知られている。あまりに個性的で友人が出来ない高校生たちが、友人を作ろうと「隣人部」を作る世界観や独特の単語が飛び交う会話などの複雑さから実写映画化は難しいとされてきた。平坂氏の「無理に内容を再現するのではなく、独立した1つの作品として作ってほしい」という思いを尊重し、原作を原案とした完全オリジナルの青春物語にすることで実現した。小説やアニメにはない、生身の人間のぶつかり合いが見どころとなりそう。

 瀬戸は人生初の金髪にして現場に立った。「堂々として切ないタイトルに運命的なものを感じました。僕も友達が少ないからです。友達が少ない理由を素直に丁寧に大胆に演じるよう心掛けました」。小鷹を振り回す夜空役の北乃は「友達がほしいと思う半面、1人が楽だと逃げがちになることもあるけれど、前向きに人と向き合うんだと。コメディーとして楽しめ、ヒューマンドラマとしても胸に残るものがある」とコメント。「新しい『はがない』を見ていただけると思います」と自信ものぞかせている。

 ◆「僕は友達が少ない」

 ハーフで金髪の小鷹(瀬戸)は目つきが悪く人見知り。聖クロニカ学園転入から3カ月たっても友人がいなかった。教室で“エア友だち”と話す夜空(北乃)と出会う。夜空も性格がきつく孤独だった。2人が友人作りを目的にした「隣人部」を立ち上げると入部希望者が多数現れる。部員全員でバーチャル世界で思い通りの生活を送るゲームをしたが、端末を頭に装着すると現実と妄想が逆転し、世界が変わる。共演は栗原類、渡辺大、石原良純ら。