こんにちは。今週のコラムでは、先週の秋華賞を見事に勝利し、JRA初G1制覇を達成した坂井瑠星騎手についてお話をしたいと思います。
私と坂井騎手が初めて会ったのは、彼がデビュー2年目の夏、札幌競馬場です。師匠の矢作先生から、彼がオーストラリアへ武者修行するためのサポートを依頼されました。その頃、彼はまだ19歳。少し人見知りの若者といった感じでしたが、内に秘める思いは強く、海外に行きたいという意志がしっかりと伝わってきました。私も精いっぱい彼をサポートしたいと思い、その秋に2人でオーストラリアへ向かいました。
ただ、付きっきりのサポートは最初の2週間だけで、その後は彼1人でオーストラリアに残るという形でした。最初は言葉も不自由。1人きりで乗り越えなければならない日々は相当な努力が必要だったと思います。私は途中3回ほどオーストラリアを訪れる機会がありましたが、その度に彼が人としてたくましく成長していくのを感じられた事は、私にとってもいい思い出です。
その後、私は日本でオイシン・マーフィー騎手の通訳をすることとなりました。坂井騎手には、手ごわいライバルになるであろうこと、年齢の近い2人で互いに切磋琢磨(せっさたくま)し向上していって欲しいこと、を伝えました。マーフィー騎手が来日してからは国内外で多く交流し、実際に2人が良きライバルになった事は、私自身非常にうれしい出来事でした。
その後も坂井騎手と私は、矢作先生のサポートとご理解のおかげで米国、香港、サウジアラビア、ドバイ、英国など世界各地に行かせていただきました。それらの経験が身を結び、今年の春にはドバイのゴドルフィンマイルで海外初重賞制覇を達成。そして先週の秋華賞でついに、坂井騎手の目標であったJRA初G1制覇を達成したのです。
坂井騎手の騎乗技術はとても高く、世界中のホースマンからも素晴らしいと絶賛されるレベルですが、彼の魅力は何よりその人柄にあります。師匠の矢作師や矢作夫人、厩舎スタッフをはじめ、数多くの関係者から手厚いサポートが得られているのは、彼が周囲への感謝を忘れずひたむきに努力を重ね続けてきたからこそだと感じます。
今後は日本を代表する騎手として、さまざまな場で活躍してくれる事を願うとともに、これからもたくさんの経験を一緒にしていけたらうれしいです。今回は特別に坂井騎手と私、マーフィー騎手、矢作先生などとのプライベート写真も公開しますので、ご覧下さい。皆様もぜひ今後の坂井騎手の活躍に期待して下さい。
(レースホースコーディネーター)



