28日で22年中央競馬の全日程が終了した。リーディングジョッキーは143勝(重賞8勝)を挙げた川田将雅騎手(37)がデビュー19年目で初の栄冠に輝いた。最高勝率騎手、最多賞金獲得騎手も含めて3冠となり、史上4人目の騎手大賞を獲得した。厩舎別では59勝(重賞4勝)を挙げた矢作芳人調教師(61)が2年ぶり4度目となるリーディングトレーナーに輝いた。

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22年の全ての騎乗が終了した後、検量室を後にした川田騎手は安堵(あんど)の表情を浮かべた。騎手としてずっと志してきた念願のタイトル。「この秋はずっと騎手大賞を目指してやってきました。流れの悪い時間が多い中で、結果として3部門とも1位を獲得することができ、感慨深いものがあります。19年かかりましたからね。やっと取れた、というところです」と振り返った。

並々ならぬ思いでここまでやってきた。16年の戸崎騎手以来、6年ぶりとなる日本人騎手のリーディング。「若い子たちが(リーディングという)夢を見られるように、日本人として自分なりに責任感を持ってやってきました」とこれまでの心境を話し「負けている時間が多い中で、たくさんの有力馬の騎乗依頼をいただきました。多くの関係者、頑張ってくれた馬に感謝しかないです」と、締めくくった。

◆騎手大賞 最多勝利騎手、最高勝率騎手、最多賞金獲得騎手の3部門を全て獲得した騎手に与えられるJRA賞のひとつ。岡部幸雄元騎手は2度(87、91年)、武豊騎手は9度(97~00年、02年~06年)、ルメール騎手は18年に受賞しており、川田騎手で史上4人目となる。

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矢作師が2年ぶりとなるリーディングトレーナーに輝いた。コントレイルやラヴズオンリーユー、マルシュロレーヌといった厩舎の看板馬が引退して変革の1年となったが、次々に勝ち星を重ねてキャリアハイを更新。タイトルを取り返した。「一番誇れることは、海外での挑戦を継続しながらJRAのリーディングを獲得できたことです。頑張ってくれた馬と全ての関係者に感謝します。まさに感謝のひと言に尽きます」と、コメントした。

◆東京競馬記者クラブ賞 22年度の「東京競馬記者クラブ賞」(加盟17社)は、国枝栄調教師(67)が受賞した。現役唯一のJRA通算1000勝に到達し、メディアにも積極的な情報発信でファンへ競馬の魅力を伝え続けたことが受賞理由。

◆民放競馬記者クラブ賞 西塚洸二騎手(18=鹿戸)、佐々木大輔騎手(19=菊川)が受賞した。西塚騎手は関東新人騎手で最初に勝ち、12月には勝ち星を2桁に乗せた。佐々木騎手は関東新人騎手で最初の重賞騎乗を遂げ、騎乗数も関東新人トップの270を超えたことなどが評価された。