ホリエモンこと、馬主で実業家の堀江貴文氏(53)が有馬記念(G1、芝2500メートル、28日=中山)の注目の一頭を披露した。昨夏、馬主免許を13年ぶりに取得。13日の未勝利戦で愛馬イッテラッシャイ(牡2、斎藤誠)が5馬身差で圧勝。馬主セカンドシーズンの展望、競馬への思い、友人・藤田晋さん、スポーツ紙の行く末など幅広く話した。【取材・構成=木村有三、高橋悟史、桑原幹久】
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-今は馬主セカンドシーズンというわけですね。
堀江 俺の好きな血統でまずはやろうと思っています。リアルダビスタです。小田吉男さんに「シンコウラブリイの血統で何かいないですか」と聞いたら、この馬くらいしかと聞かされたのが、イッテラッシャイの母ノルウェーノモリ。イッテラッシャイの3代母がシンコウラブリイです。ノルウェーノモリを所有しています。半姉タドウリョクはいい戦績を残せなかったけど、イッテラッシャイは父ミスチヴィアスアレックスがバチッとはまった。父は短距離なんだけど、馬体から距離はもちそうかな。セカンドシーズンは育成からちゃんとやろうと思っています。
-今年のサマーセールでも2頭購入しています。
堀江 そうですね。2頭ともによかった。現地に行って買いました。その後に当時、イッテラッシャイがいた静内の牧場にも行きました。大樹町はロケットの会社(編集者注:インターステラテクノロジズ株式会社)があります。今でこそロケットの町だけど、当時はタイキシャトルの町だと思っていました。当時の大樹ファームのオーナーとも会ったことがあります。セレクトセールで買うタイプではないですね。藤田(晋)さんとは違いますよ。
-藤田晋さん所有のフォーエバーヤングがアメリカのBCクラシックを勝ちました。率直にどう思いますか。
堀江 すごいよね! 逆に12月13日にイッテラッシャイが勝って「強かったね」って連絡がありました。よきライバル関係です。あいつは石橋を叩いて渡るタイプ。若いころは「馬とフェラーリは持つな」だったけど、40代後半をすぎればたたかれる歳じゃないから。僕は逆に馬もフェラーリも20代で買ったから。派手にやっていたんで。なので今はセカンドシーズンですよ。馬運は比較的いいと思います。
-競馬の予想をする時に何を見ていますか。スマホですか?
堀江 スマホと新聞ですね。パソコンのほうがいいけど、持ち歩かないから。でも最近は時間がなさすぎて、予想をするのは自分の馬が走る時くらいです。
-今後、スポーツ紙はどうなると思いますか? 気を使わずに話してください。
堀江 (食い気味に)なくなるんじゃないですか。すいませんね、なんか身もふたもないことを言って。だからウェブサイトを強化するべきなんです。それもあって「The Derby Square」をやっていたんですよ。それはKKベストセラーズに売りました。当時のKKの社長さんに会ってね。あの時のKKは細木数子さんの本が稼ぎ頭だった。
-枠順は木曜なのですが、現時点での有馬記念の注目馬は。
堀江 まだ予想していないんだよね。どうなんだろうな、最近は血統とかも見てますけどね。中山に適した血統になるのかな。(出走表を見渡して)見事にノーザンファーム、社台ファームばかりですね。ノーザンやりすぎじゃない(笑)? あ! 藤田の馬いるじゃん! よくこの中に入ったね。矢作さんのところにも小田吉男さんの馬入ってましたよね。小田さんはBCの時、アメリカのセリに行ってて現地でBC見たらしいよ。買いたい馬は買えなかったみたいだけど。ということで、藤田の馬を応援します! シンエンペラー! ちょっと勝ち切れないのかもしれないけど有馬ってそういう馬が勝ったりしますから。ちなみに有馬記念は不得意。当たったのは過去1回くらいかも。2500メートルってのが中途半端で、宝塚記念とかのファン投票のレースは不得意です。あまり期待しないで。イッテラッシャイの次走は1月10日の黒竹賞で、戸崎さんが乗るので応援してください! じゃあこれくらいで。
-最後に1個だけ。
堀江 なに?
-なんで今回の取材、受けてくれたんですか?
堀江 競馬好きなんで。馬がきれいだよね。血が引き継がれていくけど、はかない感じが好きです。
(おわり)
【取材後記】
予定の時間をオーバーしてたくさん話してくれました。もしかしたら、皆さんの中の「ホリエモン」とは違うイメージかもしれません。大っ嫌いな人もいると思います。でも可能な限り、堀江さんの話し言葉の通りに書きました。目にした言葉で、頭の中に自然と映像として描かれれば幸いです。堀江さんは、すべて自分の言葉で話していました。等身大だったし、パワーがあるし、いい意味でホリエモンという「個」を表に出してくれて感謝しかありません。スポーツ紙の未来についてもばっさりと「なくなる」と言ってくれました。だからちゃんと書いています。社内の仲間の皆さん、気を悪くしたらごめんなさい。
最後に、なんで取材オファーを受けてくれたのかと聞いたら間髪入れず「競馬好きなんで」と笑顔で答えてくれました。私は2001年入社で、当時はベンチャー全盛期。今年3月には藤田晋さんの取材にも立ち会わせていただき、今月には堀江さん。本は全部読んだくらい、ど真ん中です。時代を引っ張ってきたおふたりが、歩んできた道は違えど馬主として競馬の世界にいます。競馬の懐の深さを感じてグッときました。競馬は、男女や年齢を問わず、いい大人が勝った負けたで喜び、怒り、時には泣く。有馬記念は28日(日)午後3時40分発走です。【高橋悟史】
◆所有馬JRA初勝利 13日の中山2Rでイッテラッシャイが所有馬としてJRA初勝利を飾った。馬主名は「SNSグループ(株)」。10月19日のデビュー戦は12番人気ながら3着。2戦目は戸崎騎手が騎乗し、単勝オッズ2・8倍の1番人気に応え、2着に5馬身差をつける圧勝だった。馬名の意味は「行ってらっしゃい」。半姉タドウリョクは4戦して未勝利で引退した。
◆堀江貴文(ほりえ・たかふみ)1972年(昭47)10月29日生まれ、福岡県出身。東大在学中の96年、ホームページ制作請負会社「オン・ザ・エッヂ」を創業し、04年にライブドアと社名変更。活動はロケット開発事業、文筆業、医療関係、グルメ関連アプリ、ミュージカル俳優など多岐にわたる。馬主としては現在は廃止された高崎競馬でシルフ(牝)を所有しJRA認定競走を勝利。

