阪神は打線改造に踏み切ったが、現状を考えると、やむを得ないだろう。何か策を打つ必要があるし、スタメンで出ていた選手に刺激を与えないといけない。そういう意味では、1つ勝ったことで、重い雰囲気は消える。借金も「1」と「3」では違う。3戦目も勝てば、勝率5割で甲子園に戻れるので、チームも落ち着くだろう。

しかしこの日、起用された選手がいまひとつだった。特に7番陽川、8番江越は自分の特長を生かせなかった。打撃が湿っている現状で、下位打線で連打は考えにくく、首脳陣も1発を求めて、この打順に置いているはずだ。「1発か三振」ぐらいの気持ちでいいはずが、ボールに当てにいって、しっかりと振っていない。他の選手に刺激を与えるには、ほど遠い内容だった。

8回によく同点に追いついたが、得点力の低下が本来の勝ちパターンにもちこめない原因になっている。6回3失点のガルシアを含め、先発陣はクオリティースタート(6回以上、自責点3以内)を果たしているが、貯金を作れている先発は1人もいない。最近はリリーフが勝ち投手になる試合が目立つ。先発に白星がつき、中継ぎにホールド、抑えにセーブがつくのが理想。今季は6回までにリードすれば、高い勝率を誇っている。そういう形に戻していかないと、勢いはつかない。

そして、やはり気になるのは、守れないことだ。前夜に続き、この日も悪送球があった。失策絡みの失点が出れば、ズルズルと負けがこむ。送球ミスは意識すれば、防げるものだ。基本的ではあるが、練習時のキャッチボールから、しっかり取り組むべきだ。