阪神佐藤輝について、提言したい。2回の左飛を見れば分かるが、2ストライクからシンカーを当てにいったようなスイングだった。フルスイングを心がけていても、三振したくないという意識がどうしても働いてしまうものだ。変化球で崩されると、バットのヘッドは下がり気味になる。相手投手も、これまで打てていた球を打てなくしようと配球を考えてくる。シーズン中は、そのせめぎ合いだ。

9回の打席で内角高めの直球で続けて攻められ、バットに当てられなかった。もともと得意なコースではないが、開幕当初に比べると打てるようになっていた。それが元に戻ってしまった印象がある。これはバットのヘッドが1度下がってから打ちにいっているので、ボールに対して遠回りしている。最短距離でなければ、打てないコース。スタンドティーを内角高めに設定して、バットの軌道と打撃のポイントをチェックすべきだ。内角高めを打てなくても、ファウルで逃げられるようになれば、他のコースは余裕をもって打てるようになる。(日刊スポーツ評論家)