27日からのリーグ戦再開を前に、元横浜日本一監督で日刊スポーツ評論家での権藤博氏(86)が、現在借金5で5位に沈む中日の上位進出論を語った。投打の軸は高橋宏斗投手(22)と細川成也外野手(26)。不振や不調でもブレることなく起用すべきと提言した。【聞き手=石橋隆雄】

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交流戦も8勝10敗。ここまでは昨年よりもいい戦いができている。エースの高橋宏はここまで2勝7敗だが、私に言わせたら「別格」。調子が戻るまで待つしかない。小器用過ぎるから変化球を多投しすぎている。3ボール1ストライクとかフルカウントからでもフォークでストライクが取れるのはすごい。だが、高めの速球を使ってこないから変化球を見られている。井上監督も「ローテーションからよぼどのことがない限り外さない」と話しているようだが「あいつは別格ですから、当然じゃないですか」と堂々としていれば、その監督の姿が調子を取り戻そうとしている高橋宏にとっても一番の救いとなる。

打線では右太もも裏の故障から帰ってきたばかりの細川を井上監督は4番に固定したい考えのようだが、このチームで軸になる選手は細川しかいない。ちょっと悪いとすぐ外したりするが、やっぱりそのあたりの決断を監督がしっかりとやらなければいけない。上林も元々よかったのが、故障が治って戻ってきている。細川を支える軸になれる面白い素材だ。

今年はベテランの大島も使い始めている。若手を育てようというのは分かるが、相手が嫌がるのはどちらかということを見ないといけない。現在は左太もも裏を故障し離脱しているが、やはり今年の正捕手は木下。いない間はルーキーの石伊や宇佐見らの競争となるが、故障が治ったら木下を出すべき。相手は木下を出された方が嫌だと感じるはずだ。自分の見方よりも相手がどう見ているかだから、相手が嫌がっている選手を使おうと発想を変えていくしかない。勝負をかけていい選手を使っていく。1回使ってダメだったからすぐに落とすのではなく徹底して使ってダメなら落とせばいい。

ここまでの戦いを見てきても、井上監督は「分からない」。「分からない」というのはいい監督だと私は思う。チョロチョロと動いたらこれまでと同じ。交流戦もそこそこの戦いをしている。また始まるセントラルの戦いでどう力を出すのか楽しみにしている。

細川成也=25年6月
細川成也=25年6月