国学院栃木は島田侑希内野手(3年)が本塁打含む3安打の大暴れ。延岡学園(宮崎)を9-5で振り切った。

 お米パワーの1発が勝利に導いた。公式戦初本塁打含む3安打でお立ち台に上がった国学院栃木・島田は「角度がなかったので入れ! と心の中で叫んだ。気持ち良かったです」と炊きたてのお米のような、ほくほくの笑顔を見せた。

 4番から7番降格した悔しさを一打に込めた。同点で迎えた6回、初球の真ん中低め直球を振り抜き右翼へ勝ち越し弾を放った。初戦の英明戦では無安打と振るわず、柄目直人監督(35)の指導で左の軸足へ体重を乗せるフォームに修正した。「甘い球に力まなくなった」と修正し大暴れした。

 175センチ、82キロの恵まれた体形は、大好きなお米とトレーニングで作り上げた。父透さん(58)の実家は栃木県内でコシヒカリを栽培する農家。小さい頃から「お米が大好き」で中学時代からどんぶり2杯が日課。冬はウエートトレにも力を入れベンチプレスは50キロから80キロまで伸びた。「甲子園で本塁打を打ちたかった」と胸を張った。

 昨夏の栃木大会は3年続けて決勝戦で作新学院に敗れた。「改革新世代」と名付け新チームから練習方法を一から見直した。「打ち勝つ」野球がテーマ。約1キロの木製バットを使い、6秒1スイングを15分間続けるロングティーで長打力を養い、逆方向への強い打球を意識した。前から上げた球を逆方向へ打つ通称「フロントティー」は毎日1時間打ち込んだ。練習後は各自、部屋でバットを磨く「神頼み」で思いを込めた。

 3回戦は、18年前に柄目監督が準決勝で敗れた智弁和歌山が相手。「監督のためにも勝ちたい」と主将の大久保は意気込む。島田もお米パワーでモリモリ打ちまくる。【保坂淑子】