痛みもボールも、豪快に飛ばした。日本ハム中田翔内野手(26)が12日阪神戦(甲子園)でオープン戦1号を放った。2回先頭で阪神の開幕投手、メッセンジャーのカーブを左翼ポール際へ運ぶ決勝の先制ソロ。右足首痛のため10日西武戦(鎌ケ谷)は欠場したが、一振りで不安を一掃。シーズンでも期待されるエース撃ちを体現した主砲が、開幕へ向けて幸先よくリスタートした。

 予期せぬ軌道に、しっかり体を反応させた。2回。先頭の中田が痛めた右足首で、グッとためを作った。フルカウントからの6球目は「頭にはなかった」という、114キロのカーブ。阪神の開幕投手、メッセンジャーの意表を突いた投球にも、しっかり体を反応させた。「うまく拾えた」と、左翼ポール際へオープン戦1号となる先制弾。甲子園では14年6月18日の交流戦で放って以来、2年ぶりの1発となった。

 周囲の不安を、一振りで取り除いた。10日西武戦は、昨季から抱えていた右足首痛のために欠場。念のため、都内の病院で検査も受けた。大事には至っていなかったが、故障する前に積極的休養を取った。「とにかくケガだけなんや、怖いのは」。大事な調整期間ではあるが、前日11日のチーム休日も含めて「ゆっくり出来て、よかったです」。言葉だけでなく、結果でも感謝を示した。

 栗山監督も、あらためて頼もしさを感じていた。4番の1発で1-0の勝利。「シーズン中も(相手投手に)手も足も出ない時がある。打ち崩すのは、主役しかいないんだ。これが今年、目指す姿」。25日の開幕戦へ向けて、順調な仕上がりのメッセンジャーをとらえた一戦は、長いシーズンを見据えても格好のシミュレーション。力強い真っすぐで押し、変化球も逸品の相手だが、中田は「普通のボールや」。4番のプライドがにじんだ。

 グラウンド外でも頼もしい姿は健在だ。米アリゾナキャンプでは3歳になる1人娘に土産を爆買いした。「娘用のTシャツ、30枚くらいかな。サイズが小さいから、スーツケースにも入るよ」。休日などを利用し、宿舎近くのショッピングモールなどで物色。日本では見かけないデザインを中心に選んだ。「こっちは、かわいい柄が多いよね」と、日本で帰りを待つ娘に思いをはせながら、異国でのキャンプを乗り切った。

 開幕へ向けて、コンディションを整えることが先決となる。右足首の状態については「全然というか、大丈夫」と、力強かった。アイシングや電気治療を施しながら、調整を進める予定。実戦では2月24日の練習試合(対韓国KIA)以来のアーチを放った主砲が、聖地で存在意義を大きく示した。【木下大輔】

<中田のオープン戦1号(過去5年)>

 ◆11年 2試合目の2月27日楽天戦(名護)で左腕佐竹から右中間へ。「自分の求めていた当たりだった」と話した。

 ◆12年 初戦となった2月25日楽天戦(名護)の第2打席で、塩見から左翼場外へ放った。「詰まってもあそこまで飛んでくれた」と話した推定120メートル弾だった。

 ◆13年 第3回WBC参加のため、出場は開幕直前の2試合のみ。8打席でノーアーチだった。

 ◆14年 2試合目の2月23日DeNA戦(名護)で、北方の初球を推定150メートルの場外弾。直前に陽岱鋼が死球を受けており「(死球が)怖いなと思って、早く(打席を)終わらせたいなと1球目から打ちにいった」。

 ◆15年 12試合に出場し、40打席で本塁打は0。なお、2月の練習試合では4本塁打をマークした。