開幕投手に決まっている日本ハム大谷翔平投手(21)が19日、オープン戦初の長打&複数安打をマークした。「7番DH」でフル出場したヤクルト戦(札幌ドーム)の6回に右翼線へ二塁打を放つと、8回には左前打。安打は6日DeNA戦(同)以来3試合11打席ぶりで、湿りがちだったバットで快音を響かせ、打者としても順調な仕上がりぶりを本拠地のファンに披露した。

 右へ、左へ、鋭い打球をはじき返した。2日前に開幕前ラスト登板を終えた開幕投手の大谷が、打者としてもラストスパートに突入した。6回先頭。迷いなきスイングでトンネルを抜けた。1ボールからの2球目。「たまたま、フォークが来たので」。甘いボールに反応、引っ張った。右翼線へ転がる打球を見て、一塁ベースを回る前からグングン加速。足から滑り込み二塁打とした。6日DeNA戦以来13日ぶりの快音は、オープン戦初長打。「結果的には良かった」と振り返った。

 心地よい感触を、しっかり次につなげた。8回無死二塁。内角低めのボールを左前へ運ぶ、技ありの安打。「たまたま、ツーシームがひっかかっていたので…」と、謙遜したが手応えはあった。「狙い球は合っていたので、良かった」。複数安打は米アリゾナキャンプ中の2月14日(日本時間15日)紅白戦3安打以来。国内での実戦はオープン戦も含めて初。配球を読む、打者としての試合勘もよみがえってきた。

 試合前から、予兆はあった。フリー打撃。右へ、左へ、中堅へ。スタンドに軽々と運んでみせた。見守った栗山監督も「今日のバッティング練習は、久しぶりに良く見えた」と、トンネル脱出の予感を感じていた。指揮官は発奮材料も用意した。打順「7番」での起用だ。「あれだけ、打てないんだから」。試合前までのオープン戦打率は1割3分3厘。クリーンアップとして5試合で野手出場させてきたが、あえて下位打線に配した。無言のメッセージだった。

 開幕投手としての準備は、17日ソフトバンク戦(鎌ケ谷)で終了。登板2日後の、異例の野手起用にも結果を残したが、復調のきっかけとなりそうな2安打にも、気は緩めない。「いい打ち取られ方なら問題ないけど、内容を詰めていきたいです」。野手では今日20日ヤクルト戦(札幌ドーム)が最後の出場機会となりそう。打者としても抜かりなく、万全の準備を整えていく。【木下大輔】