今季からの新ルールの恩恵を受け、中日は負けなかった。9回、本塁クロスプレーのリプレー検証でセーフ判定が覆り、3番手田島慎二投手(26)が救われた。勝ち越し点が取り消され、開幕からの連続無失点試合は23に更新。98年佐々木(横浜)12年山口(巨人)のセ・リーグ記録に王手をかけた。チームは延長12回引き分けで2位を守った。

 どっちなのか…。じれたように観客席がざわつき始めた。昨年までならなかった空白の時間だった。3-3の9回1死一、二塁。右翼への打球を処理した平田からの本塁返球を受けた桂が、走者にタッチ。吉本球審が1度はセーフを宣告した。谷繁監督がベンチから飛び出て抗議。審判団のリプレー検証は、約10分もかかった。

 結果、判定は覆ってアウト。広島の勝ち越し点が幻になった。救われた田島は「見た感じアウトだと思った。本当に際どかった」とホッと胸をなでおろした。ただ、検証の結果が出るまで、自分に言い聞かせていた。「次の投球もある。落ち着こう」。ブルペンで待機している時のように、集中した。「アウトと変わった時点で、無失点でつなぎたかった」。頭の中をリセットした。

 2死一、二塁でプレーが再開されると、菊池を3球で空振り三振に仕留めた。これで開幕からの連続無失点試合は23に伸びた。コリジョン(衝突)ルールの導入により、今季から本塁クロスプレーもリプレー検証の対象になった。その恩恵を受け、リーグ記録に王手をかけた。「意識はしています。でもマウンドに行ったら関係ないです」。田島は自分に言い聞かせるように表情を引き締めた。

 谷繁監督は判定が覆ったことに「正しいジャッジをしてほしい。あの場面は(桂)依央利のミットがベースの前にあって(走者安部の)手がきた」と指摘した。10日からの6連戦で3度目の延長戦。わずかなタイミングの差で敗戦を免れ、価値あるドローで2位を死守した。【宮崎えり子】

<コリジョンルール適用以外でリプレー検証により判定が覆ったケース>

 ◆4月8日ロッテ-西武戦(QVCマリン) 1回、ロッテ清田の本塁突入がアウトの判定。タッチをかいくぐっているとしてセーフ。

 ◆5月5日DeNA-ヤクルト戦(横浜) 1回、DeNA梶谷が本盗。アウトがセーフに。

 ◆5月7日ロッテ-オリックス戦(QVCマリン) 7回、1死満塁。オリックス吉田一の暴投でロッテ角中が本塁を狙いアウトの判定。セーフに覆った。