今季、ソフトバンクはシーズン94勝という圧倒的強さでパ・リーグを制し、日本シリーズでもDeNAを下して2年ぶりの日本一に輝いた。ヘッドコーチ就任1年目で日本一奪回に成功した達川光男ヘッドコーチ(62)は年明けまで残り1日となった30日、「普通にやれば来年も勝てるよ」と、自信たっぷりに言った。冗舌ヘッドコーチから早くも来季V宣言が飛び出した。

 達川ヘッドコーチはキッパリと言った。「来年も勝てると思う。普通にやればね」。短い言葉の中に連覇への自信をのぞかせた。16年リオ五輪の女子レスリング48キロ級で金メダルを獲得した登坂絵莉の言葉を引き合いにして「確信」の理由を説明した。

 達川ヘッド (登坂選手が)「目標あって結果あり」「意識の差が結果の差」と。ウチは日本一というはっきりした目標がある。他のチームははっきりと日本一とは言わんじゃろ。そこが違うんじゃよ。

 勝利への意識の高さは大きな条件かもしれない。だが、精神面を上回るしっかりとした「戦力」もある。今オフ、セ・リーグの球団スコアラーとの雑談でホークスの強さの要因を言われた。

 達川ヘッド ホークスは走塁と守備がいいと。それがしっかりできているのはホークスだけと言われた。ウチは走塁と守備の意識が高い。

 その1つが今春のキャンプから徹底して取り組んだワンバウンド投球での走塁だ。次の塁を狙う意識を高めさせオープン戦からアウトになってもOKという方針で、積極的に走らせた。

 達川ヘッド 走塁や守備はスランプがない。下手になることもない。走者一、二塁の場面でも二塁走者は積極的にホームを狙った。こういうのが大きいのよ。

 投打に大きな戦力もある。豊富な先発投手陣に守護神サファテを中心に据えたブルペン陣。打撃では柳田、内川、デスパイネの主軸に松田、中村晃、今宮、明石、川島…。課題だった正捕手候補には育成出身の甲斐が急成長した。

 達川ヘッド 投手も心配していない。サファテだって日本シリーズ最後に3イニングを投げたけど、(王手をかけた)横浜(5回戦)でも本人は3イニングでも投げるつもりでいたからね。ウチは勝つよ。来年も。ワシらがすることは、きちっと練習させることだけ。あとは心配しとらんよ。

 連覇へ大きな自信をみなぎらせ達川ヘッドは有終の1年を締めくくった。【佐竹英治】