ゴリラが、ゴリへ挑む。プロ5年目の楽天内田が、豪快な1発でアピールに成功した。オリックスとの練習試合に途中出場。4点を追う6回無死一、二塁から真ん中高め直球を左中間へ放り込んだ。オープン戦、練習試合のここ6戦で3発。「迷いがなくなった。右脇を空けたり、狙い球を絞ってやっていることが成果になっている」。常総学院時代の打法で初の開幕1軍へ歩みを進めている。

 185センチ、86キロの屈強な肉体から「ゴリラ」と呼ばれ、愛される。先輩から「バナナの食べ比べが趣味でしょ」といじられるキャラ。ライバルとなるのは愛称「ゴリ」の今江。同じ右打ちだけでなく、守備位置も一、三塁。さらにニックネームも“ニアミス”と共通点は多い。

 負けるつもりはない。趣味はなく、暇さえあれば野球関連の動画で飛躍のヒントを探す毎日。高須打撃コーチのアドバイスを受け「打席の中で腹をくくることが出来ている」と、心優しき青年の中に勝負強さも芽生えた。梨田監督は「もともと長打が魅力。だいぶ成長した」と目を細める。球団待望の和製大砲へ-。打って、打ちまくる。【栗田尚樹】