「2番近本」総仕上げだ! 阪神は今日29日、約2カ月ぶりの実戦となる紅白戦を甲子園で開催する。キーマンは矢野監督が2番構想を抱く近本光司外野手(25)。甲子園での集合練習に参加後オンライン取材に応じ、「早く試合がしたい」と腕ぶした。成否にチームの浮沈がかかる重要打順だけに気合十分。6月19日の開幕戦で対戦が濃厚な巨人菅野撃ちでダッシュを導くべく、実戦を重ねて2番近本の完成形を目指す。

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約2カ月ぶりの実戦に、ワクワクが画面越しに伝わってきた。近本が甲子園で集合練習に参加後、オンライン取材に対応。「早く試合がしたい」と、目を輝かせた。6月19日の開幕に向け、チームは今日29日から甲子園で練習試合をスタートさせる。実戦は3月25日DeNA戦以来、甲子園に限れば8日巨人戦以来となる。静寂が包んでいた甲子園に、熱い球音が戻ってくる。

紅白戦では、矢野監督が今季の新構想に上げる「2番近本」が有力だ。「ノーアウト一塁からヒッティングで一、三塁が一番理想だと思う。でも、小技のサインが出てもしっかり1球で決められる、何でもできる2番というのが理想です」。新打順へのイメージはバッチリ。プレーで見守る指揮官を安心させる。

新人の昨季は108試合のスタメンでリードオフマンを務め、持ち前の快足で盗塁王を獲得。今季は非凡な打力も買われ、采配の目玉ともなる「2番近本」構想を指揮官は明言している。バットで、足で、打線をけん引する立場として、同構想の正否はチームの浮沈を大きく左右する。春季キャンプ中の初実戦から全試合で新打順に入り、打てる「超攻撃型2番」として打点も量産。一塁に走者を置く場面では守備隊形や昨季640打席で併殺打2という快足も生かし「思い切って打ちにいってもいいのかなというのはあります」と、攻撃的なつなぎ役に意欲を示す。

矢野監督も「2番近本」に大きな期待を込める。「攻撃のバリエーションはいろいろ増え、相手にとって嫌な打順になるんじゃないかと思う。もう1回盗塁王も、去年まだ到達していない(打率)3割も。もっと高いレベルを目指しながら、2年目のジンクスをぶち破っていってほしいと思います」。チームのカギを握る背番号5は、目標と公言する2年連続盗塁王を始め「去年以上にやっていかないといけない」と、気合十分。紅白戦数試合と練習試合12試合で、精度を高めていく。開幕カードは敵地でいきなり巨人戦が有力。「2番近本」新構想で伝統の一戦を制し、開幕ダッシュで短期決戦のシーズンを一気に駆け抜ける。【奥田隼人】