#開幕を待つファンへ 貫禄の3連続K! 阪神藤川球児投手(39)が、甲子園での紅白戦に登板し、1回を3者連続三振に抑えた。

チームとして3月25日の練習試合DeNA戦以来、約2カ月ぶりの実戦。6月19日の開幕後、当面続く無観客を想定した守護神は、大きなガッツポーズを作って盛り上げるなど本番さながらの投球をみせた。

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渾身(こんしん)の131キロフォークで3つ目の三振を奪うと、藤川は派手にガッツポーズを作った。喜びを見せつけるような姿に、打者マルテは笑うしかない。藤川は納得したように手をたたき、満面の笑みでマウンドを降りた。

「今日は無観客試合の練習だと思っていたので、ファンの方々がスタンドにいないこの環境で、試合に入り込む気持ちの確認と、ボールの精度を高めることを課題にしていました」

自身としては3月22日に、中日2軍との練習試合(ナゴヤ)に調整登板して以来の実戦。北條、高山はともに直球で空振り三振、マルテには低めに決めたフォークに手を出させず見逃し三振に仕留めた。空白期間を感じさせない圧倒的な投球だった。

開幕は6月19日に決定したが、当面は無観客。昨季守護神として浴びてきた声援を聞けるのは先になる。本番さながら、無観客の試合に入るメンタル面の準備も整えた。

「ボールは少し乱れたところはありましたが、精神的な部分では1球1球集中してしっかり投球できていたので、試合に向けたメンタルも上がってきていると自分自身で確認できたし、本番に向けて良い練習ができたと思います」

収穫のある1イニングとなった。

ベテランの気持ちのこもった投球は矢野監督にも伝わったようで、代表取材でうれしそうに語った。「本当にね、楽しそうに充実した感じで、躍動感ある感じで投げていましたし、球の力もありました。狙って三振を取りにいってるところで、最後はフォークですけれど、真っすぐで(三振を)取れているのは、球児自身も手応えがあったと思いますし、頼もしく見ていました」。今年も藤川が守護神を任されることが決定的。貫禄の調整で、日米通算250セーブを目指すシーズンに挑む。【磯綾乃】