オリックス黒木優太投手(28)が、あこがれのジョニー黒木の背中を追う。プロ1年目の6勝2セーブ25ホールドが象徴するように、ここまで救援で通算9勝3セーブ47ホールドの実績を残してきた。だが、右肘の不調などでかなわなかった先発転向に再挑戦することに。転向後の理想として「先発完投が、理想の投手像だと思います」と明かした。

立正大時代は、先発した試合は完投を目指してマウンドに立った。「結局、先発完投できる投手は、いい投手なので。そこを突き詰めていきたいと思いますし。そこでしっかり中継ぎの人も休ませてあげられれば。またチームの状態、順位も良くなると思うので。そういうことも加味して」。さらにプロ入り後、より理想が明確になった。「ジョニー」の相性でファンから愛されたロッテ黒木知宏1軍投手コーチだ。

現役時代のロッテ黒木は97年にリーグ最多の13完投をマーク。力の限り投げ続ける姿が、ファンの共感を呼んだ。黒木も同じ背番号54を背負い、ロッテ黒木を理想の投手に挙げてきた。1年目に当時の福良監督(現GM)を通じて本人にもあいさつ。19年6月に右肘のトミー・ジョン手術を受けた際に「ちゃんとやってたら治るから、焦らずに自分のことをやりなさい」と励まされた。今なお、心の中にとどめる言葉だ。

「(マウンドに)上がったらみんな信じて見てられるとか、ファンの人とかも応援したくなるような選手だったと思うので。そこは、ずっと憧れてるので。理想の1つでもありますね」。黒木自身も救援陣を、チームを安心させる存在を目指していく。

オフの期間に走り込み、ウエートトレなどで、体重は5キロ増の90キロに。ここから87キロをめどに絞り、先発に対応する体を作りあげる。変化球も「昨年もカーブとか多く投げていたので。カーブはどんどん使っていきたいなと思いますね。スライダーも肘のリスクがあると思うんですけど、使うところはしっかり使っていこうかなと思っています」と多投する球種を考えていく。プロ7年目の再挑戦が始まる。【堀まどか】

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