日本ハムから交換トレードでロッテに移籍した西村天裕(たかひろ)投手(29)が7日、ZOZOマリンで入団会見を行った。
17年ドラフト2位で入団後、当時日本ハムで投手コーチを務め、同じ和歌山県出身のロッテ吉井理人監督(58)からは「おいやん」の愛称で親しまれてきた。「和歌山弁で『おじさん』っていう意味なんです。30歳になる年ですけれど、自分ではまだまだ若いと思っているので、フレッシュに頑張っていきたい」。ロッテファンに対しても「パワフルなピッチングをするので後押しをお願いします」と“若き三十路(みそじ)”をアピールした。
トレードの連絡は突然だった。前日6日の午前6時50分ごろ、千葉・鎌ケ谷スタジアムに到着寸前で電話がなった。「マネジャーさんから『スーツを着てきて』ということだったので家まで取りに帰りました」。最初は半信半疑だったが「このタイミングということは…と察して、1人でドキドキしていました」と心境を明かした。
この日もZOZOマリンまでは自宅から車で“初出勤”した。「いつもはビジターで運転していた道が、これからはホームになるのかという新しいワクワク感があって楽しみです」と少しずつ実感も湧き始めている。
隣に座った監督代行の福浦和也ヘッドコーチ(47)からは「パワフルなピッチャーで良い投手だと思っていた。吉井監督をはじめチームみんなが期待している」と激励を受けると、「実は福浦さんの引退試合で対戦させていただいていて、それが1つの思い出です」と千葉県やZOZOマリンへの思いも語った。
ロッテでも日本ハム時代と同様にリリーフ陣の一角として期待されている。「真っすぐもそうなんですけれど、変化球も自分のセールスポイントではあるので、それも使ってチームの優勝に貢献したい」。フォーク、スライダー、カットなども駆使し、ロングリリーフも経験していた。「50試合以上の登板は掲げているので、それが出来ればチームの結果も良い方向になっていくと思う」と具体的目標も公言した。
帝京大の後輩でもある広畑敦也投手とは今オフの自主トレを一緒に行い、岡大海外野手、菅野剛士外野手、藤岡裕大内野手らとは大学、社会人時代に交流もある。チームの渡辺啓太広報とはNTT東日本時代の同期生でともに17年にドラフト指名された間柄だ。「面識のある人が多いので、すぐに溶け込めるんじゃないかと思っています」。ロッテの“おいやん”が若々しく新天地での活躍を誓った。【鎌田直秀】
◆西村天裕(にしむら・たかひろ)1993年(平5)年5月6日生まれ、和歌山市出身。和歌山商-帝京大-NTT東日本を経て、17年ドラフト2位で日本ハム入団。18年3月30日西武戦で初登板。同年4月7日ロッテ戦で初勝利。通算122試合、3勝2敗1セーブ、防御率4・01。今季推定年俸1900万円。177センチ、92キロ。右投げ右打ち。