見たいのは野球での日の出のみ-。日本ハムのドラフト5位星野ひので外野手(18=前橋工)が7日、千葉・鎌ケ谷の勇翔寮に入寮した。名前は「ひので」も、元日は初日の出を見ることなく次の日に備えしっかり寝た。荷物も野球用具と就寝用の無地のジャージーだけというストイックぶり。182センチ、84キロの右打ちの大砲候補は、これまで以上に野球漬けの生活を送り、ブレークを狙う。

   ◇   ◇   ◇

身も心も飾らず、星野がプロの世界に足を踏み入れた。群馬・桐生市から花屋を営む父正樹さん(47)が運転するシルバーのワゴン車に乗り、約2時間かけ到着。「勇翔寮」の表札を前に「本当にスタートする。ここに着いて、また気持ちが引き締まった」と、右拳を強く握り締めた。

名前は「ひので」も、初日の出は見なかった。年越しまでは起きていたが、1日午前0時過ぎに眠りに就き、気付けば朝日が上がっていた。そもそも「今までも初日の出を見たことがない」。正月のイベントよりも「プロ野球の生活が始まるので、それに対応していくために、今できることをしっかりやろう」。9日から始まる新人合同自主トレに備え、トレーニングの疲労回復を、最優先した。

入寮の際の持ち物も特別なグッズはないが「気持ちは持ってきた。新人らしく毎日全力プレーで頑張っていきたい」。出発前に両親や兄弟から受けたメッセージも貴重なエネルギー源だ。姉2人に妹、弟の5人きょうだいの3番目。大家族から離れることになり「シンプルに『本当に頑張ってね』という気持ちはすごく伝えてもらった。今まで以上に野球に集中して恩返しできるように」と誓った。

182センチ、84キロとサイズ感のある右打ちの大砲候補で、あこがれは昨季25発と躍進した万波。「いろいろ聞いてみたい。力感なく長打が打てるように。まだ全然なんですけど、率も残せてホームランも打てる選手を目指したい」。織物の町、桐生から来た若者が就寝用に持ってきたのは無地のジャージー。巧みにプロの技を織り込み、華麗なアーチストへと、変身していく。【永野高輔】

【関連記事】日本ハムニュース一覧