中日はあと1点が届かず、8年ぶりの4月貯金通過を逃した。下手投げの中川颯攻略に苦しみ6回まで2安打でプロ初勝利を献上した。立浪和義監督は「テンポよく投げられた。左バッターが頑張らないといけなかった」と敗因を語り「なかなかチームが乗っていけないというのが課題だが、切り替えてやっていく」と5月からの出直しを誓った。

7回、中田、細川の連打で無死一、二塁のチャンスを作った。代わった伊勢から2死後、村松が右前にはじき返した。二塁走者の中田がホームに怒とうのヘッドスライディングを決めて1点差。だが、反撃もここまでだった

初回、カリステの失策をきっかけに痛い1点を失った。先発小笠原はその失策のランナーを背負い、牧のライナーを左腕に受ける投手強襲安打で生還を許した。痛みに耐え、6回まで力投を続けたが、2失点で2敗目を喫した。

この試合を勝てば、16年(貯金2)以来の4月貯金通過だった。くしくもそのシーズンに監督を務めていた谷繁元信氏(53=日刊スポーツ評論家)の野球殿堂入りセレモニーが試合前に行われた。指揮官として志半ばでユニホームを脱いだ同氏は「(中日で)唯一の心残りはリーグ優勝からの日本一を達成できなかったこと。近い将来、そこを達成して欲しい」と後輩に夢の実現を託した。

4月は6連勝で首位に立ち、貯金6まで伸ばしたが後半失速した。勝率5割での5月スタートは22年にも経験しているが、2年前は11勝14敗と負け越し、最下位に沈む転機となった。長期低迷からの脱出にかけるチームにとって、大事な5月戦線となりそうだ。