投打二刀流の日本ハム矢沢宏太投手(23)の2年目が“開幕”した。

オリックス戦で中継ぎ要員として今季初昇格を果たし、7回に初登板。プロ入り後の最速となる151キロをマークするなど手応え十分の内容で1回1安打無失点で終えた。投打がかみあわず連勝を逃したチームの中で、昨季ドラ1左腕が成長した姿を披露したことが光明だった。

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「投手矢沢」の進化の一端が今季の“第1球”に詰まっていた。昇格即登板の7回。右足を二段モーション気味に上げ、そこから勢いよく本塁方向へ体重移動。改良して精度を高めてきた投球フォームで、先頭ゴンザレスへの初球は151キロを計測した。プロ入り後の最速ボールで遊ゴロに打ち取った。

矢沢 昨年はだましだまし投げていたので、それとは全然比べものにならないくらい投球フォームの躍動感も出てきましたし、力強いボールの数も増えてきたので全然いい。

続く紅林には変化球を安打されたが、捕手伏見の二盗阻止もあり、1回無失点で今季初登板を終えた。

矢沢 0で抑えたので良かったですし、(伏見)寅威さんも盗塁を刺してくれて、ありがたかったです。

昨年11月に右手首の手術を受けた影響もあり、今春キャンプから2軍で調整を続けてきた。投打でレベルアップを図る中で、万波、田宮ら同世代の活躍に思うところはあった。

矢沢 支配下の僕の年代で(1軍に)上がっていないの、僕だけじゃないですか。でも、僕は僕なので気にしないようにはしていました。

焦る気持ちを封印しながら地道にチャンスを待ち、4月下旬は中継ぎ投手としての調整に専念。中2日、中1日と登板間隔を詰めた中でも、7試合で防御率1・04と結果を出して1軍への道を切り開いた。

合流の際には中継ぎの生けるレジェンド・宮西から授かった「1軍に行ったら0で帰って来ればいいんだよ」という金言とバットももちろん持ち込んだ。

矢沢 コンディションをしっかり保って、いいパフォーマンスを出せるように毎試合いい準備をしたい。

打者が先行した昨季とはひと味違う投打“矢沢流”が、好スタートを切った。【木下大輔】

○…初めて3番に入ったレイエスが、初の3安打をマークした。22年にカブスで同僚だったオリックス・エスピノーザから左前打2本と右中間への二塁打。新庄監督は「良かったね。(エスピノーザと)チームメートだったんでしょ。相手ピッチャーとの相性じゃないですか」と、最近は当たりが止まっていた助っ人の復調に期待していた。

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