首位阪神が今季初のサヨナラ負けで、2位巨人に1ゲーム差に迫られた。

1-1で同点の10回1死満塁、5番手島本浩也投手(31)が吉川尚輝内野手(29)に中前適時打を浴びた。今季7度目の延長戦で初黒星を喫し、不敗神話が崩壊。投手は四球から崩れ、守備、走塁のミスも響き、今季初の同一カード3連敗の危機だ。

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巨人の歓喜をつくってしまった。延長10回裏1死満塁。吉川の打球が中前へはずみ、万事休すだ。最後は島本が打たれた。岡田監督が指摘したのは直前の四球だった。

「やっぱりフォアボールよな、フォアボールが絡むよな、点が入る時に」

1-1で延長10回のマウンドに上がったのは右腕漆原だった。1死から右打者の代打萩尾をストレートの四球で歩かせた。「別に右対右で…。それが余分になってくる」。続く丸に左腕島本を送ったが、すでに流れは渡ってしまっていた。

四球から今季初のサヨナラ負け。延長戦の敗戦は今季7戦目にして初めて。10回以降の失点も初めてだった。2連敗は4月10、11日の広島戦以来で、7カードぶりの負け越し。今季初となる同一カード3連敗の危機となったが、指揮官は「2つ負ける時もあるよ、そんなんで深刻になっとったら1年間できるかいな。相手あるんやから」と冷静に言った。

ただ、「もうちょっとちゃんとしたら、負けを防げたかなということやからな」とも続けた。同点に追いつかれた8回1死一塁では、佐々木の犠打を捕手坂本が一塁へ送球するも、引っかけるような形でそれた。チャージした一塁大山は戻ることができず、二塁中野のカバーも間に合っていなかった(記録は捕安+悪送球)。同点で止めたものの、結果が全てではない。

「もっと普通にいけてるところを苦しくなるからな。打順の巡り合わせも1人増えてるわけやから、そういうことやろ。単に0点に抑えた、1点に抑えたじゃないよ。打順が進むんやから、1つのああいうミスによって、フォアボールによって。何にもせんと進んでいくんだから、そういうことを考えなアカンわな」

5回には近本、10回には植田がけん制死となった。欠場の佐藤輝を含め打線を組み替えたが、1点では厳しい。昨季、日本一のキーワードとなった「普通の野球」を、1日も早く取り戻したい。【中野椋】

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