やがて“伝説”の1ページとなるか-。首脳陣からの期待を高めている西武の谷口朝陽内野手(21)が親知らずを一気に3本抜いたことが、1日までに分かった。
数日たってようやく腫れが引いた顔で「泣いてないですけど泣きそうでした」と振り返った。
背番号126を付ける育成契約の右打者は昨オフ、関係者に「歯のバランスで骨の位置も変わって、ケガのリスクも変わる」と助言を受け、今オフの抜歯を決意。緊張しながら予約の電話を入れ、11月下旬に歯科医へはせ参じた。
右下の痛みがひどく、今年5月にまず1本。現在は体重増量中で「食べられなくなるのがイヤで」と順次抜歯しようと計画したものの、今回は左上があっさり抜けたことで歯科医に勢いで「お願いします」と1日での3本抜きを依頼した。
ところが一転「左下がかなり厄介で。歯を割る音も聞こえて」。そんな恐怖を耐え抜いて「今はノーストレスです!」と歓喜に至った。元乃木坂46の山下美月が4本一気抜きで話題になったが、谷口も3本一気抜きで勇者になった。
打撃には歯の食いしばりも関わる。「力の伝わり方も変わるかもしれませんし、これで本塁打たくさん打てるようになるかもしれないですし」。広陵、四国IL徳島では投手。野手への本格挑戦はプロ入り後ながら、打球速度は実はチームトップ級に達している。プロ2年目の今季は3軍戦では控えからの出場が多かったが、速球対策の練習が実り、秋のフェニックスリーグで急激に進化。「打撃は本当に良くなってきた」とファーム首脳陣たちも目を見張るほどだ。
実際、フリー打撃での打球は強烈な勢いだ。内角球のさばきもうまく、田辺徳雄3軍野手コーチ(59)は「浅村の若い時とかなりイメージが重なる」と楽天浅村栄斗内野手(35)を引き合いに出すほど。顔も少し浅村似の谷口も「浅村さんみたいな打者になれれば最強じゃないですか。そこを目指しているので、言われるのはめっちゃうれしいです」と、抜歯4日前の朝も痛くて何も食べられなかったのに声を弾ませる。
なお、この先の抜歯を検討するファンへのメッセージを尋ねると「うーん…抜いた方が。いらない歯なんですよね、たぶん。ちょっとでも自分がいい方向に進めるなら、一瞬の痛みを我慢して抜けば、それで何かが変わるかもしれないですし。姿勢や考え方にも少しは関係あると思うので。迷ったら抜いた方が。でも痛いのがイヤな人は抜かない方がいいっす。痛いので」と、理想と現実を織り交ぜた。【金子真仁】



