新日本のニュージャパンカップ(NJC)が5日、後楽園大会で開幕する。注目は人気急上昇中の「こけし」こと本間朋晃(38)だ。昨夏G1クライマックス24大会で、史上初の全敗でブレークした。先月14日の仙台大会では、真壁の王座返上によるNEVER無差別級選手権の王座決定戦に出場。敗れたが、新王者石井を追い詰め、場内にこけしコールが鳴り響いた。

 こけしは、本間の代名詞となったダイビングヘッドバット。得意技でファンからコールされるのは本間くらい。こけしで有名な山形県出身で、先輩真壁のアドバイスもあり、「こけし」と命名された。そのこけし、試合ではほとんどが不発。「99%逃げられるんですけど、1%に全てをかけてますから」。逃げられても、逃げられてもこけしにこだわるファイトに、新日本では今や、前半戦の名物となっている。

 カメラ少年で、山形・東根工高写真部時代に、好きなプロレスを撮った。ある日カメラを忘れ、撮影抜きで目の当たりにしたプロレスの迫力に入門を決意。大日本を皮切りに18年、波瀾(はらん)万丈のプロレス人生を歩んできた。NJC1回戦は真壁が相手。「1回戦はこけしで負けるか、こけしで勝つか、です」。恩返しの勝利を目指す。【桝田朗】

 ◆本間朋晃(ほんま・ともあき)1976年(昭51)11月18日、山形県東根市生まれ。大日本で97年5月17日デビュー。その後、全日本を経て新日本に所属も12年に退団し、現在はフリー。181センチ、98キロ。