幕内最年少の大器が、高らかに新入幕Vを宣言した。日本相撲協会は24日、大相撲名古屋場所(7月7日初日、ドルフィンズアリーナ)の番付を発表。

貴源治(22=千賀ノ浦)が西前頭10枚目に昇進した。双子の兄、十両貴ノ富士とともに中学卒業後の13年春場所で初土俵を踏み、所要38場所での新入幕。貴源治は「(幕内に)上がるのが遅かった」と語りながら「十両にいた時期が長かったけど自分の甘さや欠点が分かった」と前向きに話した。「ビッグマウスと思われるかもしれないけど優勝を狙っていく」。新入幕で優勝となれば、1場所10日制だった1914年夏場所の両国以来。「目標は常に高く置きたい」と、淡々と意気込んだ。

東十両2枚目だった5月の夏場所は初日から10連勝と破竹の勢いで白星を重ね、13勝2敗で初の十両優勝を飾った。突き、押しにこだわらず、四つ身からも寄れる取り口で「何でもできる型をイメージしている」と貴源治。会見に同席した師匠の千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)は「組んでも離れても取れるのが理想的。先場所のような相撲、攻めの相撲を、パワーをつけてどんどんやってほしい」と期待を寄せた。

先輩関取の言葉で力みが取れた。4月の春巡業中、他の関取衆に「自分には何が足りないのか」と自身の課題を尋ねまわった。冗談めかして返答する関取もいれば、真面目に助言を返してくれる関取もいた。その中で「隠岐の海関は真面目に返してくれた。『(幕内に)上がろうと思っていたら上がれない。勝ちたいと思うな。やることをやれば上がれるから』と。上がりたい、上がりたいと思っていたら、勝てないんだと気づかされた」。3月の春場所まで抱いていた幕内への特別な意識がほぐれ、夏場所では「やれることだけやろうとしたら、結果がついてきた」と、隠岐の海に感謝するように話した。

目標の番付はもちろん最高位。「常に三役以上の番付を見ていた。ここで満足することなく上を目指したい」と、新入幕場所となる名古屋をきっかけに、さらなる飛躍を誓った。